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yamatoへ…Ⅳ

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訓練の様子を見ながらライセンスが取れそうなものはすべて取ってしまおうと長い四か月の月基地での訓練が後二週間で終了、と言うところまで来ていた。最初の二か月で進と加藤と山本は艦載機と小火器取扱いのライセンスを習得。島は大型戦艦のライセンスを習得した。相原はすべての通信のライセンスと救護艇のライセンスを取った。

残りに二か月の間に相原は軍内部で仕事をしてトウキョウシティーを中心に各国に月からの情報を配信したり火星や金星と連絡を取ったりと忙しい日々を送っていた。島は戦艦の火器の取扱いの訓練を受けた。それと同時進行で航海図を作る試験を受けたりまだ当時としてはなかなか訓練できなかったトレースもしていた。艦載機チームは砲術科の訓練を受けていつでも火器の取り扱いが出来るようにしていたのと巡洋艦程度のライセンスも習得した。

ほぼ予想以上のライセンスを習得した事で地球に戻った時の訓練の仕方を橋本は考えていた。今までと同じでは却ってもったいない。彼らの意向を聞いて進路を早めに設定するよう校長の土方に相談していた。土方も今までにない成果を考慮し軍司令部で議長を務めている友人の藤堂(後の長官)に報告し相談していた。


  「ふぅ…」

5人は荷物をまとめ終わってリビングでくつろいでいた。訓練は昨日で終わり10時の便で地球に戻る予定になっていた。

  「今日は遊星爆弾がこないって話だからきっと予定通りだろうな。」

島がエアーチェアーの空気を抜きながら言った。相原と加藤がそれを手伝っている

  「今回は直で帰れるんでしょ?夜には着くかな?」(相原)
  「多分ね。」(山本)
  「また軍用機だよなぁ」(加藤)
  「あれ、うるさいよね。寝られないよ」(進)

そんな話をしてるとインターフォンが鳴りロボットの声がした

  「荷物オ預カリシマス」

運搬用のロボットが来ていて台車のようになっている部分に5人分の荷物を載せた。載せ終わるとロボットは

  「忘レ物ハアリマセンカ?身分証明書ノかーど間違エテ入レテマセンカ?」
  「お?一応確認してるぜ?おい、みんな大丈夫か?カード持ってるか?」(島)
  「「持ってる」」

4人が持ってるのを確認すると島は自分のカードを確認してロボットに

  「大丈夫だ。運んでくれ」

と言った。ロボットは

  「デハ運ビマス」

と言って部屋を出て行った。がらんとした部屋を見ると

  「4か月もここにいたんだよなぁ…」

島がそうつぶやくと

  「すっごい短く感じたけどな。なんだかやたらと頭に詰め込んで大変だったような気がする
   けどすっげぇ充実してた感じがある。」

加藤が納得するように頷きながら言った。

  「そうだよな、考えてみたら中学卒業したら訓練学校へ行って取るライセンス取ったんだ
   もんな。俺たちこれからどんな訓練するんだろう…」

山本が言うとみんな“そうだよなぁ…”と言ったまま口をつぐんでしまった。ちょうどその時インターフォンが鳴り今度は最初に案内してくれた士官がきていた。

  「みんな、お疲れ様でした。よく頑張ったね。去年より優秀で基地のみんなも驚いていたよ
   我々も君達に負けないように訓練に励んで一日も早くあの忌々しい遊星爆弾を何とか
   するよう努力するよ。さぁ出発の時間だ。忘れものはないかね?」

みんなもう一度自室のクローゼットを見直し何もない事を確認すると全員廊下に並んだ

  「諸君らのこれからの活躍を期待する…艦載機チームの三人…加藤、山本、古代。」

そう言われ三人は敬礼して一歩前に出ると

  「艦載機のチームはすべて月基地にある。いずれここへ来ることになると思う。待っている
   からな。」

そう声をかけられもう一度敬礼を正し元の位置に戻った

  「相原」

相原も一歩前に出て敬礼した

  「キミの努力は素晴らしいものがある。見えないところで頑張っただろう。すぐにでも勤務
   してほしいと言っていたよ。」

相原は嬉しそうな顔を一瞬したがすぐ敬礼を正して“ありがとうございました”と言ってもとの位置に戻った

  「そして…島。お前の操縦一つで乗組員の命が変わる。それを忘れるな。」

島は名前を呼ばれて一歩前に出てそう言われると

  「よく…心して…これからの訓練に励みます。ありがとうございました。」

そして敬礼を正して元の位置に戻った。

  「さて…ちょっとうるさい機だが…行こうか。」

士官はにっこり笑うと5人を引率してエアポートに向かい軍用のゲートをくぐった


作品名:yamatoへ…Ⅳ 作家名:kei