yamatoへ…Ⅳ
「さすが時間厳守。全員集合」
秋山が全員着席してるのを確認すると飲み物を片手に立ち上がり
「え~月面基地での生活を楽しめた事をここに感謝してカンパイ!」
秋山が最初の音頭を取ると全員でカンパイ!と言って飲み食いが始まった。もちろん進達はノンアルコール飲料。
水田の率いていた女性艦載機パイロットは全員二日後に来航する戦艦に配属が決まっていて明日は休暇を与えられていた。
「いい子が入って来たから残念だわ。」
秋山は加藤と山本の顔を交互に見ながら言った。
「古代くんも一緒に卒業だしね。」
水田は嬉しそうに言った。
「私も若い子と一緒に訓練したかった!」
他のチームの女性だった
「あ、私ね芹沢って言うの。去年訓練学校卒業して水田チーフの元に来たの。一年間
そりゃぁ厳しい洗礼を浴びてね…なんとか一緒に飛ぶ事が出来るようになるの。
この艦載機チームに入りたくて必死に訓練受けてる女性は多いのよ。」
そう言って芹沢はにっこり笑った。去年卒業と言う事は今19歳この中で一番彼らと年齢が近いかもしれない。芹沢は背丈は小さかったが発達した筋肉がシャツの上からもわかるぐらいで半そでから出てる腕はたくましい感じが見てとれた
「いつか一緒に飛びたいですね。」
加藤が芹沢の顔を見てそう言うと
「えぇ、でもあなた達が飛ぶ頃にはもう遊星爆弾が落ちないようになってるといいんだけ
どね。地球上のどのミサイルも破壊する事が出来なくて…投下される地点は最近じゃ
予測できるのにそれを破壊するすべがない…いったいどうやって戦ったらいいのか
わからないから…」
そう言うと大きなため息をついた
(砲手より火器の開発を進めないとダメなんだな…)
進は相手の科学力に及ばない事を実感した
「でもね今はまだでも明日、一週間後、一か月後にその兵器が、火器が開発されてる
可能性もゼロじゃないでしょ?」
芹沢はそう言ってにっこり笑った
「セリは前向きよね。」
秋山が少し苦笑いしてそう言った
「実際飛んでみたらわかるわ。艦載機乗りがどれだけ邪魔扱いされるか。いざ戦闘が
起きても戦闘を指揮する人間が火器だけで戦おうとすると私たちは出番がなくなるわけ
すごく性能のいい戦闘機を搭載してる戦艦なんてあまりないから機動力で戦力に
ならないなら、はじかれてしまうことだってあるのよ。」
確かに戦闘の指揮を執るものと艦載機のチーフの連携が取れていないと難しい部分が多々あるのは一緒に訓練していてよくわかった
「戦闘機がちゃんと機能する戦闘をしてくれたら相手を撃沈出来なくても致命傷を与える事
ができるかもしれないじゃない?そこを砲手が叩いてくれたらそれ以上のシナリオって
ないじゃない。」
これから砲手になるべく進は思わす肩をすぼめた
「まぁまぁセリ、それくらいにしなさいな。いつかきっと私たちの事認めてくれる人が出て
きて一緒に叩くように指揮してくれるわ。」
水田がそう言って進の顔を見て笑った
途中で合流組がやってきて宴会は盛り上がっていたが進達は次の日も訓練があるので先に失礼することにして自室に戻ってシャワー室に向かった
「すべては島の腕にかかりそうだな」
加藤がそうつぶやくと
「火器が通用しないんじゃよけるしかないもんな」
山本も言った
「火器の開発はそんなに遅れてるのか?」
島が小さな声で相原に聞くと
「そうなんですよ。とにかく限られた資材で戦艦を作るのが精いっぱいのようですね。
火器の開発は科学局でしてるんですがとにかく資材が足りないようでなかなか研究が
進まないようです。火器の開発者は超天才と聞いたことがあるけど…地球にいるので
何とも言えないんだけど…一度お会いした事ありますよ。その人がいるだけで周囲の
空気がピンと張るのがわかるんです。お話した事がないのでどんな人かわからない
けど…」
相原はそう答えた
「ふうん…」
進は興味なさそうに返事を返した
(今はまだでも俺たちが出撃する時までに新しい火器ができてりゃいい)
翌日から砲手に転向する進は新たな気持だった