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yamatoへ…Ⅳ

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  「おいしい…」

水田はかなりハイペースでグラスを空けていたのでちょっと店の外に出てモールの休憩所に
座ってミネラルウォーターを飲んでいた。それにトイレに行っていた進が気付き声をかけた

  「チーフ」

進はそういいながら水田の横に座った

  「あら、古代くんじゃない。今日はお疲れ様。」
  「大丈夫ですか?飲みすぎました?」
  「ううん、全然。今日はちょっとうれしくてペースが速かったみたい。」

そう言って笑う水田は年齢よりうんと若く見えた

  「うれしい?」

進は何が嬉しいのか分からず聞き返すと

  「私ね、訓練学校上がりの一年生に遭遇したの初めてだったの。…って事は軍人に
   なって私が一番最初の上司になるわけでしょ?そーゆーの初めてだったから…
   嬉しかったのよ。みんな最初はすごい仕込むのが大変で、って聞くんだけど
   あなた達は全くそんなことなくってとっても楽しかった。一緒に飛ぶのが楽しかったの
   余りにも優秀すぎて私は何も教えられなかったわね。」
  「そんな事ないです」
  「でも…あのまま月基地を離れてたら古代くんの事はずっと心残りになっていたかも
   しれないからホント良かったって思ってる。…でも結構いやな事あったでしょ?」
  「…いえ…」
  「古代くん顔と答え別になってる!何度もケンカ売られたでしょ!噂は聞いてるわ。
   月基地の古代は強いってね。…どうしても引き合いに守さんが出てきちゃうんでしょ?
   きっとわかってた事とはいえ…」

水田が申し訳なさそうな顔をしたので

  「兄は私の目標ですから…それを悪く言ったら…」
  「そっか、古代くんの兄弟愛が噂を大きくしてるのね。」

水田はそう言うといつものように柔らかく笑った。普段艦載機を操り部下を率いて先頭に
立つ人には到底見えない。

  「目標が高ければ高いほど自分を高める事が出来るわ…さぁ戻りましょうか。」

水田が立ち上がると進も後ろをついて店に戻った



  「あ~戻ってきた!」

結構いい感じに酔っている秋山だった。

  「古代、戻ってこないかと思ったぞ?」

島もいい感じになっている。

  「バカ、何言ってんだよ。ちょっとトイレ行ってただけだよ。」

進はそう言うと島の隣の座った。加藤と山本は少し離れたところで女性に囲まれて楽しそ
うに飲んでいる。誰かがトイレに行くたびに席が代わりいつの間にか進と島の間にも女性
が座り楽しい時間は過ぎて行った









  「お待たせ!」

翌日進はドッグにやってきて水田の通信機に連絡をした。少しすると水田がタラップの上
から手招きした。案内してくれた整備の人にお礼を言うと進はタラップを上がり水田に向
かい敬礼した。

  「おはようございます。」

時間は10時。予定通りだ。

  「おはよう、早速行きましょうか。朝食は済ませた?」
  「はい。」
  「相変わらずみんな一緒に?」
  「えぇ、何となくいつも朝と夕は一緒なんですよね…」
  「ふふふ、どんな話してるのか気になるわ」
  「大したこと話していませんよ。」
  「どうせケンカを買ったとか…でしょ?」
  「…いつもじゃないですよ、その話題…言っておきますが私だけじゃなくってヤツらも結構
   売られるんです。ただ兄がいるから私だけ話が先行してるみたいで…」
  「別に咎めてるわけじゃないわ。ただ同情してるの。」
  「同情?」
  「まず年下にケンカを売るなんてとっても恥ずかしいことじゃない?それなのに負けちゃう
   なんて…情けなさに同情!まぁ古代くんも相手を病院送りにする前に止めないとね!」
  「…はい。…いや、ヤツらに伝えておきます」

そんな雑談をしてる間にタラップから機関室へ入り第一砲塔へ入って行った




  
作品名:yamatoへ…Ⅳ 作家名:kei