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yamatoへ…Ⅳ

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やがて二人の話声に気付いた山本がのっそり起き上がって這ったまま島の部屋に顔を向けた

  「おう、気がついたか?」

島が声をかけながら廊下に出ると相原も付いてきた

  「かなりしぼられたみたいだね。大丈夫…じゃなさそうだけど…」

島が“水飲むか?”と聞いたが山本は首を振った

  「起きれる?」


相原が聞いたがやはり首を振り島たちに顔を向けていたが“ゴン”と音がしそうなくらいの勢いで落ちた

  「しばらくそこで伸びてろ。動けない時は無理して動かない方がいいんだ。」

そう言うと島はタンスからタオルを取り出して山本をまたいで部屋を出て行きすぐ戻ってきた

  「ちょっと冷たいぞ」

島は山本の首に濡れタオルを置いた。一瞬ヒヤっとした様子で体をビクつかせたが

  「気持ちいいだろ?」

と島の声に少ししか動かせないであろう首を縦に動かして全身の力を抜いた。
2人でしゃがんで山本の様子を見てるとリビングの方からずるずる這う音が聞こえて来た

  「加藤か?古代か?」

しかし這う音だけで声は聞こえてこない。島は山本をまたぐとぬれたタオルを手にリビングに向かった。すると壁にもたれてた古代が這ってもがいていた。

  「気持ち悪いのか?」

そう聞くとうなずいたので“よいしょ”と腕を取って自分の肩に回すと廊下で伸びてる山本の上を引きずるようにして部屋の外に出ると

  「ちょいとトイレ連れて行ってくる。」

相原にそう言い残すと濡れたタオルを一本投げて出て行った。相原は加藤の様子が気になってリビングに向かったが相変わらず伸びている。

  「タオル温まってきたよね。」

相原は山本のタオルを一度取るとブンブン回して空気で冷ましもう一度首に置いてやった。山本は気持ちいい、のサインなのか右腕を出して親指を突き出した

  「いいよ、動かないで。」

相原はしみじみ艦載機乗りにならないでよかったと思うのだった




作品名:yamatoへ…Ⅳ 作家名:kei