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yamatoへ…Ⅴ

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  「初めまして。」

進たちが揃って食堂に入って奥の空いているところを陣取って座ろうとしたとき南部が
立ったままそう言った。横に立っていた太田もそのまま同じように初めまして、と言った

  「私は南部康雄、コイツは太田健二郎と言います。先日訓練学校を繰り上げ卒業して
   そのまま月面基地に配属となりました。」

そう言ってそろって頭を下げた。加藤と山本は名前だけの自己紹介をすると全員が座った

  「…ズバリ聞いちゃっていい?」

南部が小声で前かがみになって聞いてきた

  「キミたちさぁ…予備生…でしょ?」

一般的に知らされていない訓練予備生。進達も今まで予備生だった事は一言も言った
事がない。

  「(自分を指さして)と太田は予備生出身なんだ。だから本当は今年17。見た感じ
   君達も同じかな、と思って…。」

島はみんなの顔を見渡すとそのままうなずいた

  「よかった、じゃぁ同い年か。そうだろうなって思ってたんだけどさ…キミたちはいつ
   こっちへ来たの?」(南部)
  「二年前だけど…」(島)
  「へぇ~すごい優秀だったんだね。見習わないといけないね、南部。」

太田がにっこりしながらそう言った。

  「キミたちの学校に女性はいなかったかい?」

南部がやはり小声で聞いてきた

  「いや、俺たちはもともと5人だったんだけど、みんな男だよ。」

島がそう答えると

  「そうか、残念だな。どうも女性ですごい優秀な子がいるって噂で聞いたんだ。どうも
   同い年っぽいんだよね。なんでも戦闘機を難なく乗りこなした、って話だよ。
   まぁ戦闘機と言ってもスクランブルに参加したくらいで実戦訓練をしたわけではない
   みたいだけど…きっと非戦闘員だと思うんだよね。砲術科にしろ戦闘機科にしろ
   俺らぐらいの年齢の女性だったら絶対に噂になるだろう?聞いたことないってなったら
   きっと戦闘員じゃないってことさ。で、後の一人ってどうしたの?」(南部)
  「随分前に配属が変わって地球へ行ったよ。」(島)
  「へぇ~すごいねぇ!じゃぁもうバリバリ働いてるんだ。」(太田)
  「そう、ヤツは通信のプロで地球の言語をほとんどしゃべれるんだ。」

島がまるで自分の事のように言うと

  「一度会ってみたいな。」

太田がそうつぶやいた

  「地球と通信する時運がいいと“相原”ってやつがつないでくれる。そいつが俺たちの
   仲間なんだ。」

島も嬉しそうに言った。

  「じゃぁ同じ予備生出身と言う事でこれからずっとよろしくな!」

南部はそう言ってみんなと握手をした。太田もそれにならって“よろしく”といいながら
みんなと握手をした


作品名:yamatoへ…Ⅴ 作家名:kei