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yamatoへ…Ⅴ

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古代守は火星基地から進たちのいる方角を眺め大きなため息をついた

  (進…今回ばかりは帰ってくるとそう言いきれなさそうだ。)

今までは進のために何があっても帰らなくてはいけない、そう思いながら戦って来た。
実際もうダメかと思ったこともあったが乗組員達のおかげで何とか戻ってこれた事も
あった。しかし今回は玉砕覚悟で向かわなくてはいけない。

地球は最後の会戦を行うのだ、それも総力戦で。ここで負けたら地球に戦う手段はない
地球にこもって放射能に汚染されて朽ち果てて行くのを待つばかりとなる

火星や金星に基地があるがきっとそこにも遊星爆弾が落とされたり会戦を突破した
敵艦隊が一気に襲ってくる可能性もある。

守は内ポケットから煙草を取り出すと火をつけて深くその煙を肺に入れた

  「お疲れ様です」

守に声をかけて来たのはゆきかぜの砲手だった

  「めずらしいですね、タバコ…」

注意されるのかと思い守は禁煙でないことを確かめるためにキョロキョロしてると

  「私も一本頂いていいですか?随分高くなって…最近止めてたんですけど…」

そう言って笑うと守はそっと箱を差し出して火を付けてやった。砲手は味わいながら
深く煙を吸うと満足そうに

  「あぁ…うまい…久しぶりだ。」

そう言って煙を吐き出した

  「実は私も久しぶりなんだ。急に吸いたい気分になってね…ほら」

守はそう言って箱を見せると2本しか減っていなかった

  「本当だ、だから湿気てないんですね。うまいですよ。」

砲手はそういいながらもう一度深く煙を吸い込んだ

  「おやじはハマキなんです。まったく贅沢ですよ。」
  「あぁ…そうか沖田さんはいつもハマキを抱えて積み込むよな。あれってどこから
   さがしてくるんだろ?…ハマキは俺たちには無理だよな。」
  「そうなんですよ、フツーの吸ってくれればちょろっともらっちゃうんですがね…」

しばらく二人は無言でたばこを味わった

  「古代艦長、長い航海になりますがよろしくお願いします。」
  「何を言ってる!お前の腕に全てを預けるんだ。こっちこそよろしくな。あと、オヤジさん
   にも!オヤジさんが全てを牛耳るんだからな!」
  「オヤジですか?ははは、そうですね。すべてはオヤジ次第ですね!」

二人は覚悟をしたかのように豪快に笑った
作品名:yamatoへ…Ⅴ 作家名:kei