yamatoへ…Ⅴ
進は自室に入ると端末を立ち上げてメールのチェックをした
画面には掲示板と同じ内容のニュースが流れている。そして死亡者リストもアップされて
いる…そこには間違いなく水田優子と…しかもリーダーなので一番上に記載されていた
古代くん
きっともう私たちは生きて還れない。戦う事も出来ず死んで
しまうわ。もう格納庫に火が入ったみたい。時間の問題だわ。
機関部に火が入るまで少し時間がありそうだけどここの構造上
格納庫を通らないと救助艇に乗れないから助からないわ。
最後に古代くんに抱かれていい思い出が出来たわ。
女として生きられて良かったって思ってる。
うんと年下だったけど私古代くんの事好きだった。
訓練中のあの殺気立ったオーラを纏った古代くんも
食事中の無防備な古代くんも私は愛していました。
私の勝手な気持だけで古代くんの気持ちを無視してごめんなさい
平和な時代に生まれていたらって思います。
いつか地球が平和になったら…古代くんは私の分まで幸せな
恋をしてください。
少し…気が遠くなり始めました。
呼吸が…肺が酸素が足りないと言ってるかのようです
頭痛がし始めました。一酸化炭素中毒になりかけてるようです
このまま意識がなくなればきっと楽に死ねるはず
ありがとう… 水田ゆうこ
メールはそこで終わっていた。苦しい息の下、考えてること今の状態そのものが入力され
ていて名前の漢字変換もしないでそのまま送信している。きっと水田が意識を失った後も
しばらく爆発せず通信回路が生きていたらしく進にメールが届いたようだった
進は涙でボロボロになりながらそのメールを何度も読み返した。確かに水田ほどの気持ち
ではないが進も水田に惹かれていたのだ。そして水田を抱いた時進は自分の気持ちに
気付いた。でも時が悪すぎた…進は自分の中にふってわいた恋心を戦いのために封印
したのだ。今は戦うときだからだ。