GANTZ Paradise Lost 田中星人篇
『53:45:07』
一方その頃・・・
「あんだぁ、ここは・・・」
「なんか駐車場っぽいけどよぉ・・・」
先に転送されていた暴走族のメンバーは転送された先の立体駐車場を彷徨っていた。
「なぁ、これって帰っても良いんじゃね?」
「まぁ、外に出られたんだ、そーゆー事かぁ?」
彼らは元々からガンツのミッションには興味が無かったのか、帰るかどうかを検討していた。
「じゃ、帰るかぁ?」
「だな・・・にしても、あの中坊、よくもマッシーのこと殺りやがったな・・・」
「ああ、アイツか・・・」
「見つけたら、ブチ殺そうぜ」
暴走族達はそう言い合って歩を進め始めた。
すると・・・
『わぁーーーたぁーーーしぃーーーかぁーらあぁーーーなぁーーーたへーーーー
こぉーーのうたぁーーをぉーーーとどぉーーーけよぉーーーー
ひろぉーーーいせぇーーーかぁーーいにぃーーーーたぁーーーったひとぉーーーりのぉーーー
わぁーーーたぁーーーしぃーーーのぉーーーーすぅーーーーきぃーーーなぁーーーあなぁーーーーたへーーーーー』
微妙に音程のずれた曲が彼らの背後から聞こえてくる。
「あぁ!?あんだぁ!?」
暴走族は後ろを向いた。
そこには・・・赤と白のストライプ柄のセーターという時代遅れも甚だしい格好をした男が立っていた。
「・・・あんだ、テメェー!?」
「何こっち見てんだ、ゴルァ!!」
男は暴走族達の怒号にも動じず、そこに突っ立っている。
「オルァ!!何か言えや!!この野郎!!」
しびれを切らした暴走族の一人が男に近づいていく。
しかし、男は動じるどころか微動だにせず突っ立っている。
「・・・あんだぁ?何か文句でもあんのかぁ!!??」
暴走族は男の前に立ち、そこにあったラジカセを蹴り飛ばした。
と、次の瞬間・・・
『カァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッ!!!!』
男の口がまるでカラクリ人形のように開き、そこから強烈な青白い光彩を放ち始めた。
作品名:GANTZ Paradise Lost 田中星人篇 作家名:プラスチッカー