GANTZ Paradise Lost 田中星人篇
第六話・ナオ・・・?
ゴンッ、という景気のよい音と共に田中星人は天井に激突、そのまま地面に落ちて沈黙した。
『・・・・・・・』
「はあ・・・はあ・・・はあ・・・はあ・・・」
上半身が“締め付け”から開放されていく感覚が訪れる。
それと同時に浮き出ていた筋は瞬く間に消えてゆく。
しかし、ボタン状の器具には青白い光がまだ宿っていた。
俺は何となく顔に手をやった。
鼻血が出ていた。
・・・・ガシャンッ・・・
と、ここで再び田中星人が息を吹き返す。
「ッ!?」
・・・・ギュインッ、ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンッ・・・
重い金属の足音を響かせながら迫り来る田中星人。
しかし、今の俺には何をすれば良いのか分かっていた。
「うぉらッ!!」
俺は向かってきた田中星人の胸倉を掴み、車のボンネットの上に投げた。
狙い通り、奴はボンネットに乗り上げ、身動きが取れなくなる。
その上から更に馬乗りになって完全に動ける範囲を潰し、そのままの状態で田中星人の顔面を殴りつける。
「ッらぁっ!!!」
ガンッ、ガンッという金属を殴っているかのような打撃音が響く。
さらに右、左、右、左と打ち下ろしていく。
その間に再び俺の右腕には締め付けられるような感覚が訪れる。
「喰らえこのビチグソ野郎ッッッッ!!!!!!」
そして俺はラストにその右腕で、正拳突きを放った。
無論、顔面めがけて。
・・・・バッシャァァンッ・・・
鋭いガラスの破砕音と共に俺は田中星人ごと車の中に突っ込んだ。
作品名:GANTZ Paradise Lost 田中星人篇 作家名:プラスチッカー