GANTZ Paradise Lost 田中星人篇
一方その頃・・・
「・・・うーん、やっぱ有名になってきてるねェ・・・」
新宿某所の高級マンションの一室・・・
一人の男がデスクに足を乗せ、やはり三流雑誌の記事に目を通していた。
「・・・死人還り・・・ねえ・・・上手いこと言ったもんだよ」
そう言いながら、男は缶コーヒーを口に含む。
そしてその横には、黒光りするゴルフボール大の球体が置かれていた。
「今日は田中星人のミッション、だったか」
コーヒーを呑みながら黒いボールに問う男。
すると・・・
ヴィジジ・・・ヴァジッ・・・
黒いボールがノイズ音を発し始めた。
それと同時にボールの表面に画像が投影される。
解像度が悪いのと画像自体が小さいのでよく見え辛いが、その画像はどうやら人物画であるらしい。
「・・・今夜が楽しみだ・・・」
男は空になった空き缶を近くにあったゴミ箱に投げ入れた。
「蜜月は濃くなれば濃くなるほどにそれが崩れ落ちた時の旨みが増す・・・」
男は意味深なことを呟きながら邪悪に満ちた笑みに顔を歪める。
「さぁ、どう出るかなあ、ナオト君は・・・」
作品名:GANTZ Paradise Lost 田中星人篇 作家名:プラスチッカー