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GANTZ Paradise Lost 田中星人篇

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「今日はありがとうございました・・・」

「いや、良いよ、それにさっきも言っただろ?今日はやる事ないって」

場所は戻って。
俺は彼女を最寄の駅まで送っていた。
聞くところによると、彼女の自宅は見滝原にあるらしく、わざわざ電車で来てくれたらしい。
ちなみに見滝原はとても遠いわけでは無いのだが、電車一本で40分くらいかかる都市だ。
そう考えると、この子はとても健気である。

「あ、ここまでで良いですよ・・・」

絹居駅の改札で彼女はそう言った。

「おう、気をつけて帰れよ」

俺は改札の人ごみに紛れて行く彼女の背中を見送ろうとして、

「あっ、ちょっと待って・・・」

俺はまた彼女を呼び止めていた。

「はい?」

「君の名前・・・何だっけ・・・」

俺は彼女に名前を聞く。

「巴・・・マミです」

巴マミか・・・可愛い名前だな・・・

「うん・・・ごめん、何度も呼び止めて・・・」

「良いですよ、工藤さん・・・」

彼女は俺に対して小さく笑みを浮かべると再び駅の中の雑踏へ消え入った。

「さて、と・・・帰ろ・・・」

俺はしばらくの間、彼女―――巴マミ―――の背中を見送った後、家路へと就いた。