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なっちゃん
なっちゃん
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俺とあいつと◯◯と

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第六話 お昼ご飯のご招待 後編








「んじゃ、いただきまーす」


湊が俺の奢りで買ってきた弁当にがっつく
結局、あれから、高良の『よろしかったら、白月さんもお昼ご飯、ご一緒しませんか?』という誘いにより、湊は喜んで加わった


代わりに俺が抜けようとしたら女子四人に四者四様の表情をされたためできなかった



「そういえば、二人はさ〜」


泉が俺と湊を指して言う


「一年間も同じ学年だったのに、私たちの誰も知らなかったよね〜」



「そら、そうだろうな」


第一、この学校は生徒の数が多すぎる
まして、人を覚えようとしない俺にとっては、他人を覚えているほうが珍しいと自信をもって言える



「ん?俺は、知ってはいたぞ?」


湊は友達多かったからな


「あれ?そうなんだ〜」


「実はね〜、ま、こいつは絶対に知らなかったろうけど、クラスメートもろくに覚えられなかったし」


湊が俺を顎で示して言う


「クラスメートって…、もう少し関心もちなさいよ…」


話を聞いていた柊姉が言った



「まぁ、興味ないものは興味ないんだ」



「極端ね…そんなこと言ってるとかっこつけて見えるわよ?」


そんなこと言われても、仕方がないだろ…


「はぁ、あんたたち二人がどうやって知り合ったのか知りたいわ…」


柊姉がやれやれといった表情で言う


「へぇ、かがみん、そんなに遥くんたちが気になるんだ〜」


「う、うっさい、疑問に思っただけでしょ!!ってか、かがみん言うな!!」


ニヤニヤ顔の泉に鉄拳を振り下ろす柊姉。
泉は、頭を抑え、黙り込んでしまった


俺と湊の出会いか…
そういえば、いろいろあったような気がする…


隣を見ると、湊も同じことを考えているのだろうか、どこか遠い目をしていた



「食い足りねぇ…」



前言撤回。
そんな思い出にひたるようなやつじゃなかったな、この馬鹿は



「で、遥くんたちはどんな感じに知り合ったの?」


ついさっき復活した泉が再度尋ねてきた









「…………まぁ、いろいろな」


敢えて曖昧に返すことにした
それは、ただ単に少し覚えていないことがあるのと、今日知り合ったばかりの他人に話す気にはなれなかったからだ



「むぅ…いろいろって…じゃあ、湊くんに!!」


「あ、俺…?ん〜なんだったけな〜。正直覚えてないんだよね」


「……むむ」


まぁ、二人とも言わないんだったら知りようがないな

…そんなことよりも…


俺は泉の持っているチョココロネに注目する


「おい、泉。チョコ垂れてるぞ?」



「ふぉぉお!?ティッシュ、ティッシュ!!」



「わぁ、こなちゃん、大丈夫!?」


柊妹が手元にあった布をもって助太刀に入る



「…ふぅ…つかさ、ありがとう」



だが…柊妹よ、どこから出てきたのか知らないが、それは多分…


「それ雑巾だぞ」


「「え??」」


時既に遅し、柊妹はチョココロネの太い方を雑巾で拭いたのだ
…普通気づくはずだが



「あわわ、ご、ごめん、こなちゃん!!」


そう言いつつ慌てて更に雑巾で拭こうとするのを泉がガードをしていた

その後、高良の援護が入る




「ふむ、相当な天然だな」



湊がそれを冷静に分析していた















「では、もうすぐ昼休みも終わりますし、そろそろ教室に戻りましょうか」


一通り騒ぎが収まったあと、昼休みが終わりそうな頃合いに高良が皆に呼びかける



「あ、もうそんな時間なんだ〜」


柊妹が弁当を片付けながら言った


さて、やっと解放されたか…
正直にほっとする
やはり、集団でなにかやるということに、俺自身慣れてないみたいだった

まぁ、いいけど…





「ねぇ、遥くん」


泉に声をかけられる


「…なんだ?」


「また、一緒にお昼ご飯しようよ」


「なっ…」


突然の提案…ってさすがにそれは勘弁…


「うん、それいいね」


柊妹が賛同する


「またあんたは、なに企んでんのよ」


泉に柊姉が疑いのまなざしをむける


「だって、二人ってギャルゲーの主人公みたいじゃん?」


「…は?」


こいつ、突然何言ってやがる…
俺達が何の主人公だって?


「あんたねぇ…ほら、二人に迷惑でしょ」


とりあえず、同意だ柊姉。
もっといってやれ


「そんなこといいながらも、かがみんだって…」


「なんか言ったか?」


柊姉が拳を作る


「かがみ、それ無し!!」


咄嗟に泉が黙った
勝負あったな


「……むぅ」





「俺は全然構わないぜ?」


突然、湊が言った


「なっ、お前なにを!?」


せっかく勝負がつきそうだったのに!?


「だって、せっかく誘われてるんだしさ〜、野郎なら全力で断るけど、女の子だし〜」


湊の珍しく真面目な一言。
前半はまぁ、一理あるが、後半が納得いかない


しかし、ここで泉は勢力を復活してしまった


「ほら、湊くんもこう言ってるしいいでしょ、かがみ」


「いいだろ、遥」


泉と湊のダブル攻撃。


「「………はぁ」」


それに対して俺達は疲れを感じた











結局、湊の放った一言により戦況が一転したのと、昼休みが残り少ないこともあり、俺はやむなく了承した


帰り際、柊妹が俺に


「えと、じゃあ遥くん、これからもよろしくね」


と、極上の笑顔で言われたため、


「あ、あぁ、よろしく…」


と答えざるを得なかった






「…つかさ、いきなり遥フラグをたてるとは…つかさ、恐ろしい子っ!!」



後ろを歩く泉がそう言った











というわけで、俺と柊妹たちとの付き合いが始まった

これから俺の平和な日常がおそらく続きそうにないことを思うとなんだか泣けてくる

でも俺と同じような日常を送って、そんな日常を同じように好んでいたあいつが全く違う日常への誘いを受け入れたことは意外だった


あいつはあいつなりにいつもの日常から抜け出して、新しいことを見いだしたいのだろうか…



俺にはその真意が分からないが……









作品名:俺とあいつと◯◯と 作家名:なっちゃん