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貴音「あなた様は命よりも仕事のほうがだいじなのですか?」

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P「ふむ、そうだな。この曲はあまり千早らしくはないからな…」


千早「サビの前のここのフレーズが上手く理解できなくて」


P「うん、なるほど。じゃあちょっとレッスン場で教えるよ」ガタッ


千早「いいんですか?仕事があるんじゃ…」


P「いいよ。それにお前達アイドルの悩みを聞くのが俺の仕事でもある」


千早「…ありがとうございます。でも、プロデューサーも休息はとってくださいね」


P「おお、お前達がでかけてる間にちゃんととってるよ。だから心配するな」


千早(…この間音無さんに聞いたら、最近プロデューサーは日付が変わるまで事務所にいて)


千早(朝8時には出勤して私達の送迎や付き添いをしてくれている…)


千早(それに、プロデューサーはライブの総括責任者として仕事をし、更に通常の営業やあいさつ回りもしていると…)


千早「…私も頑張らなきゃ」


P「おう。それにこの曲はライブで初披露だから気合いれてかないとな!」


千早「……」


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P(そうしているうちに、早くも一週間がすぎた)


P(おれはというと、ますます体がいうことを利かなくなり始めていた)


P(音無さんや律子にばれないように、事務所にとまる日が多くなった)


P(アイドル達にも心配され始めてしまった。だがここで倒れるわけにはいかない)


P(ライブを成功させて、しっかり治療して、また頑張らないといけないのだ。)


P(やすんでいる暇などない)


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ーガン宣告から10日目ー


P「おはようございまーす」


律子「おはようございます、プロデューサー」


P「おお、律子か。おはよう」


律子「小鳥さんは銀行へいってますよ。そろそろお給料日なので」


P「まだなにもいってないぞ」


律子「いえ、聞かれるかなとおもいまして」


P「そんなのわかるのかよ」


律子「なんとなくですよ。それよりプロデューサー、顔色良くないです。ちゃんと寝ましたか?」


P「ああ、今日は4時間も寝れたよ」


律子「4時間もって…食事もキチンととってくださいね」


律子(私を18時に帰らそうとするくせに…プロデューサーったら…)


P(ほんとはネットカフェに泊まったから3時間もねてないけど…このくらいの嘘はいいだろ)


P「じゃあ今日のスケジュール確認といくか」


律子「はい。今日は竜宮小町が…」

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P(ふう…そろそろ帰るかな。さすがに2日連続でネットカフェはつらいしな)


P(あ、薬もらうの忘れてた…もう前に検査してから10日だ…)


ガチャ


律子「お疲れ様です、プロデューサー」


P[律子…お前帰ったんじゃ…」


律子「プロデューサーが頑張りすぎなんです。コンビニで色々かってきました」


P「おお、ありがとう。でももう帰ることにするよ。22時だし」


律子「そうですか。じゃあこれ持って帰って食べてくださいね」


P「気持ちだけありがたくもらっておくよ。律子が食べるといい」


prrrrr


P「あ、すまん」


P「もしもし」


医者「こちら○○病院のものですが、765プロのPさんでお間違えないでしょうか」


P「あ……どうも」


医者「前に検査してから10日経ったわけですが…なぜ来院しないのですか?」


P「えと…その、なんといいますか」


医者「何度も言いますがあなたは病気なんですから…」


P「あ、はい!その件につきましては…」チラッ バタン


律子「…いまの…仕事の電話かしら…?」


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P(こってりしぼられてしまった)


P(たしかに俺の体はどんどん調子が悪くなっている)


P(寝ようと思っても嘔吐感と胃の圧迫感で寝れない)


P(食事はほぼ栄養ドリンクと薬のみ)


P(だがライブまであと20日だ。ここが正念場なんだ)


P(仕方ない、明日は営業の合間に病院にいくとするか)


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ガン宣告から11日目


P(やばい…昨日は一睡もできなかった……)


P(薬が昨日でなくなったからか…?)


P(しかし、夕方までは我慢しないと…)ガチャ


P「おはようございます…」


小鳥「おはようございます、プロデューサーさん…!」


小鳥「どうしたんです?ものすごく顔色が悪いですよ?」


P「ああ、気のせいですよ…はは…」


小鳥「……プロデューサーさん。私達に何か隠してませんか?」


小鳥「最近アイドルの皆からも相談されます。プロデューサーさんの様子がおかしいって」


P「……べつに、なにも…ごほっ!」


小鳥「ほら、そんなに咳き込んで!風邪でもひいたんじゃ……血?」


P(しまった…これは…なんとか理由をかんがえないと)


P「あ…ははは、朝飯のトマトジュースがでちゃいましたがふっ!ごほっ!ごほっ!」


P「はぁ…はぁ……」


小鳥「プロデューサーさん、血を吐くなんて尋常じゃないです!いったいどうしたんですか?」


P「う…わかりました…はなし…ます」


P(俺は、音無さんに自分がガンであることを説明した)


P(ただ…また俺は嘘をついた)


P(まだ早期だから、入院する必要はない…20日後に休暇をとる、と)


P(今思えば、血を吐いた時点でそんなわけがないのだが)


小鳥「ガンだなんて……最近の様子がおかしかったのはそのせいだったんですね」


P「お願いします…アイドル達には内密に…」


小鳥「そんな!今すぐ治療しないと…プロデューサーさんの命が!」


P「今はライブ前の大事な時期なんです、俺なんかのことで余計な心配かけたくない」


小鳥(この人は……鈍いなんてレベルじゃないわよ)


小鳥「あなたがいなくなったらどれだけアイドル達が悲しむと思ってるんです!?」ガタッ


小鳥「もう知りません!勝手にしてください!」バタン!


P(音無さん…泣いてたな……悪いことをした…)


P(トイレで顔洗ってこよう…)


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11日目・朝


美希「ハニー!今日のお昼一緒にたべようなの!」


P「ん?どうした急に、今日はお前一日ドラマの撮影だったろ?」


美希「休憩時間にいけば問題ないって思うな」


P「んー。すまん、ちょっと時間がとれないな」


美希「…また仕事?」


P「また…って、仕事するのは当たり前だろ?俺はプロデューサーなんだから」


美希「ちがうの…最近のハニーはなんだかおかしいよ…」


美希「前のハニーなら、ご飯くらいは付き合ってくれてたの」


P「いや、ライブの準備がだな…」


美希「美希も知ってるよ?今が一番忙しいトキだ、って」


美希「でも、だからハニーにはすこし息抜きしてほしいの…」