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貴音「あなた様は命よりも仕事のほうがだいじなのですか?」

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雪歩「はい…ありがとうございますぅ。えへへ、お茶入れてきますね」


小鳥「プロデューサーさん…大丈夫なんですか」


P「え?ははは、俺の名を忘れたんですか?昔は鉄人Pと恐れられたもんですよ!」


P「最高5日徹夜したこともあるこの俺に心配はむよう!…ごほっ」


小鳥「!」


P「しずかに…!雪歩に気づかれます」


小鳥「そんな…ここにきてまだそんなこと」


小鳥「どうきいても強がりにしか聞こえません」


P「言ったでしょ?アイドルに余計な心配かけたくない」


P「ココで俺が倒れるとライブに影響が出る…そうなるとアイドル達の未来が閉ざされるかもしれない」


P「だから今は病体に鞭打って働きますよ」


小鳥「……なにがそこまであなたを…」


P「…ライブが終わったら、話しますよ…じゃあ俺顔洗ってきますんで」フラ…


小鳥「…それ、世間では死亡フラグっていうんですよ……」


小鳥「そんなフラグ…みんないやですからね…」


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21日目・深夜 P宅


P「ぐぐうううううううううっっ………!!!!」


P(ハラがやばいくらいにいたい…!!今までで最大かもしれん)


P(よりにもよって明日はライブの為に久々に全員が集まれるレッスンの日なのに…!!)


P(くそっ!言うことを聞け…このポンコツ身体…)


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22日目・朝


P「おはよぅございます…」


社長「キミぃ……その顔は…」


P「あっ。社長…」


社長「その様子からして、音無君のいっていた病気というのは本当のようだね」


P(病気……?音無さん、ガンだって言ってないのか…?)


P「あぁ…はあ。そんなとこです」


社長「ふむぅ。今日は休んだらどうだね?あまり根をつめすぎるとよくないよ」


P「いえ…大丈夫です。こんな時期に休んでられませんよ」


P(冗談じゃない…仕事してるときだけは痛みが引くときが多いけど、家にいたら地獄だからな)


社長「そ、そうはいうがね…顔色がものすごく悪いようにみえるが」


P「はは、これくらいなんてことないです。ちょっと腹の調子がわるいだけなので」


フラッ

社長「き、キミィ!」


ドサッ


P「さぁてと、仕事仕事!」


社長「……なにかあれば言うように」ガチャ


P(…ちょっと社長に冷たく当たっちゃったな)


P(それだけ俺も余裕がないってことか…まあ、スケジュールのほうが余裕無いけど)


小鳥「プロデューサーさん…」


P「あ、音無さん。いたんならいるっていってくださいよ、はは」


P「おはようございます」


小鳥「…おはようございます」


P「………」カリカリカリカリ


小鳥(挨拶したきり書類とパソコンを見たり書いたり…)


小鳥(最初はすぐ治るモノだとばかり思って社長にはプロデューサーさんが調子が悪い、としか言ってない)


小鳥(でも…一昨日も、吐血してた…!これはもう尋常じゃないわ)


小鳥「…プロデューサーさん」


P「はい、なんですか」ヘンジダケ


小鳥「少し作業を止めて、私の話を聞いてください」


P「…………」ピタッ


P「…なんでしょうか。音無さん」


小鳥「決まってます、プロデューサーさんの身体のことです」


小鳥「ガンなんて冗談で重い病気ではないと思ってました…でも!」


小鳥「最近のプロデューサーさんの様子をみてると異常です!吐血したり!やせ細っていたり!」


小鳥「なんで…病院で治療しないんですか?」


P「そんな…わかりきったことを」


P「ライブですよ…あと10日をきったアニバーサリーライブを成功させるまで、入院はしません」


小鳥「そんなことで…ですか?」


P「……あなたも、でしたか」


小鳥「えっ?」


P「医者の野郎にも言われました。たかがライブなんだ、他の人に任せてあなたは入院しろ、とか」


P「ライブなんて何回もやるじゃないか。しっかり治して次に成功させればいい。とかね」


小鳥「……」


P「俺にとってはね、音無さん。このライブがプロデューサーとしての、全てなんですよ」


小鳥「どういう…ことですか?」


P「俺が765プロに入って、そろそろ2年になります。はじめての大きな仕事が、去年のアニバーサリーライブでした。」


P「あのライブをきっかけに、アイドル達の人気は爆発的に上昇した」


P「もしかしたら、アイドル達の中にもいま自分は人気アイドルだからライブもすぐ満員になる、とか思ってる娘もいるかもしれない」


P「でも俺は、そんなことを言ったアイドルは叱りますよ。」


小鳥「……」


P「アイドルは、ファンあってのもので、けしてTVやグラビアだけが仕事じゃない」


P「だから俺は、いままでもできるだけファンとの交流をとれるイベントを重視してきたつもりです」


小鳥「握手会、とかCD発売の店頭イベント、ですか…」


P「はい、それに小規模のライブも今後は2,3ヶ月に1回行う予定です」


P「とにかく…俺はこのライブに全力をつくしたいんです。治るかもわからないガンのために仕事をやすんでられない」


P「どうせ死ぬなら、ライブを成功させて、アイドル達の晴れ姿を見届けてから死にたい」


小鳥「…プロデューサーさん、死ぬなんて…言わないでください…」


P「…すみません。でも入院なんてしませんよ、俺は」


P「それにまあ、仕事をしているときは不思議と体調がましなんですよね」


小鳥「そうとはいっても…」


P「わかってるんですよ…自分でも。馬鹿なことをしてるって。これは俺の我が儘なんだって…」


P「あと10日です。なんとか耐え切ってみせますよ…」


春香「おはようございまーす」ガチャ


小鳥「……」


P「……」


春香(…なんだろう。窓をみて寂しそうなプロデューサーさんとうつむいたままの小鳥さん)


春香(ナチュラルに無視されちゃってるし)


春香「ぷ、プロデューサーさん、おはようございます」


P「…ああ、春香、おはよう」


小鳥「おはよう、春香ちゃん」


春香「なんだかしんみりしてましたけど、なにかあったんですか?」


P「え?いや、なんでもないぞ?…もうすっかり冬だな、って」


小鳥「…そうですね、風が冷たい季節です」


春香「…?」


小鳥(プロデューサーさんが話すな。って無言でにらんでいる…)


小鳥(ピヨォ…)


P「それよりだな、春香。今日全体レッスンをするわけだが…」


春香「あ、はい!もう10日後ですもんね!やるきまんまんですよ!」


P「うん…で、だ。今日のレッスン少し俺は遅れるかもしれない」


P「だからもし間に合わなかったら、律子に始めるよういっとくから、みんなをまとめてやってくれな」


春香「プロデューサーさん、どこかいくんですか?」