灰色
メール作成
ただいまも言わず玄関のドアを開けて直行で自分の部屋に駆け込む。
肩にかけていた部活用の用具しか入っていない鞄を床に投げつける。
そのままベットにダイブして眠りに入り込もうとするが、川島さんにメールを送る約束を思い出して携帯を開く。
ふとさっきの光景が思い浮かぶ。
真ちゃんが帰ってしまったと気づいた時の川島さんの慌てぶり。
それを見てがっかりしてしまったけど、何故かと言われても検討は付かなかった。
別に、川島さんに好意がある訳じゃない。
確かに川島さんはすげー綺麗な人とは思うが、それとはまた違う。
不覚にもドキドキしてしまうのはそのせい。
だって相手は真ちゃんの彼女だぜ?
手一つでも出してみろ、ボコボコにされるだけじゃ済まされねーつの。
ゴロンと体勢を仰向けに変えて打ちかけたメール文を削除する。
なんだかなぁ。
真ちゃんも相当なヤキモチ妬きなんだって分かったわ。
意外な一面。びっくりだぜ。
気がついたらその日はもうとっくに眠りに落ちていた。