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【銀魂】短文まとめ【土ミツ】

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【愛しいなんて、言わなくていいの】2008.11.09

最初は、姿を見るだけで幸せでした。
真っ直ぐな黒い髪、鋭い瞳、ぶっきらぼうな態度。
彼を見て「こわいひと」なんて言う人はたくさんいるけれど、本当は彼は優しい人だということを、私は知っていました。
「…私も…連れていって」
拒絶されることは、分かっていたの。
だけど、言いたかったの。
どんな形でもいい。しつこい女、とか、うっとうしい女、とか思われたって良かった。あなたの記憶に、一欠片でも私がいてくれたら、と。
出来ることなら、貴方に触れたかった。
その腕に触れて、そして出来ることなら、私の腕を絡めて、道を歩きたかった。
でも、いいの。
貴方は私なんかに捕まる人間じゃないもの。
だけど、一つだけお願いがあるの。
愛してくれなくていい。
でも、たまに…本当にたまにでいいから、私を…思い出してください。
毎月、激辛せんべえを送ります。
そうしたら、貴方は私を思い出してくれるでしょう?
貴方はもう私となんて縁を切りたいかもしれませんが、私は、まだ繋がっていたいの。
貴方が
まだ好きだから。

ねぇ、十四郎さん。
もしもう一度会えたら、私を笑ってください。
未練がましく貴方を思う私に、馬鹿だと言ってください。

今はただ、
貴方に会いたい。


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【愛しいなんて、言えない】2008.11.12


初めてだった。
こんな俺に笑いかけてくれたのは。
散々暴れまわって、地元じゃ有名で。
死んだって、誰も悲しんでくれないだろう。そんな暮らしに慣れて。
でも、近藤さんに拾われて、初めて仲間というものを得て、この人に一生ついていくと決めて。
そんな時にアンタと出会った。
一緒にいた時間は、短かったかもしれない。
でも、アンタがいてくれたから、俺は江戸へ向かう決心がついたんだ。
侍として、生きようと思ったんだ。
本当は、理由もなく、アンタの隣にいたかった。
出来ることなら、その細い肩を抱き寄せたかった。
でも、それをするわけにはいかなかった。
したら、離れたくなくなる。
こんな俺にアンタは、優しく笑いかけてくれた。
そのままの俺でいいって、笑いかけてくれた。
俺にアンタを愛す資格なんてない。
だから、アンタも俺を愛さなくていい。
そういって突き放したのは俺だけど、本当はそんなこと思ってなかった。

未練がましい男だよな。
アンタから何かが送られてくるたび、アンタのことを思いだして、「もしかしたらまだ…」なんて思っていた。

だけど、
結婚するんだってな。
良かったじゃねェか。

幸せに、なれよ。