【銀魂】短文まとめ【CPなし】
【拝啓 沖田ミツバ様】2007.12.23
―貴女に伝えたいことがあります。
もう今さら言ったって届かないかもしれない。
でも…少しだけ…
少しだけでいいから聞いてほしい…
俺達は…―
《ふろむ・ゴリラ》
ミツバ殿、ミツバ殿はいつも笑顔だったな。
俺達はいつもその笑顔に励まされてきた。
ミツバ殿は自分が辛いときも俺達に笑いかけてくれた。
そうだ、総悟がいつも「自慢の姉だ」って話していたよ。
あんなに素直に、嬉しそうに他人の話をする総悟はなかなか見られない。
やっぱりミツバ殿はすごいよ。
きっと、俺達が苦しんで苦しんでやっと手に入れたものを、簡単に手に入れることができた、なんていうこともあるんだろうな。
まったく、羨ましいよ。
その力、分けてほしいくらいだ。
おっと、そろそろお妙さんに俺の愛を伝えに行く時間だ。
ミツバ殿、見ていてくれ。
絶対にお妙さんを手に入れてみせよう。
そうしたら、ミツバ殿にも紹介しに来るよ。
じゃあまた。
近藤 勲
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《ふろむ・弟》
姉上。いきなりですが、僕は姉上が大好きです。
世界で一番大好きです。
だから、姉上が結婚するために江戸に来るって聞いたとき、すごく嬉しかったんです。
やっと姉上も幸せになるんだ、それに江戸に来るってことは、姉上に会える、ということなんだ、と。
でも結局、その幸せも俺が壊してしまった。
そう、結局、姉上の幸せを壊したのは“アイツ”なんかじゃなくて、俺だった。
姉上の幸せを一番に願っている、と思い込んでいた、俺だった。
まったく、嫌な弟でしたねィ…
姉上に嫌われたくなくて、姉上に幸せになってほしくて。
あ、ここからは俺の独り言でさァ。さらっと聞き流してくだせェ。
正直、俺は姉上と“アイツ”がくっついたって別に良かった。
“アイツ”が姉上を幸せにしてくれるなら。
“アイツ”といることで姉上が幸せになれるなら。
でも、“アイツ”は姉上を拒絶した。
自分だって姉上のこと想っていたくせに、拒絶しやがった。
なのに、そんな酷いヤツなのに、近藤さんは“アイツ”を頼りにして、姉上はずっと“アイツ”を想い続けて。
なんか、悔しかったんでィ…。
まあ、色々書きましたけど、結局、僕は姉上の事が大好きです。
またいつか会えたら嬉しいです。
沖田 総悟
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《ふろむ・“アイツ”》
お前に言うことなんざ何にもねぇ…。
ただ…俺は俺の正しいと思ったことをやっただけだ。
ただお前に謝らなきゃなんねぇ…。
お前は何にも言わなかったが、俺はお前を深く傷付けただろう。
武州を出る時、俺はお前を遠ざける為にあんなことを言ってしまったんだ。
………お前には幸せになってほしかった。
今さらこんなこと言ったって信じてくれないかもしれねぇ…
でも、本気だった。
俺達はいつ死ぬか分からねぇ。
だから無責任な約束はしたくなかった。
無責任な約束でお前を傷つけたくなかった。
だから、お前にいくら嫌われようと、お前が幸せになれるように行動したつもりだった。
俺ではない、誰か、普通の人間に幸せにしてもらえるように。
誰でもよかった。
俺でなければよかった。
でも俺は、結局お前の幸せを奪ってしまった。
ようやくお前が掴みかけた幸せをブッ壊してしまった。
いくら謝っても足りねぇよな…。
でも、これが俺だ。
もし、俺があの日お前の気持ちを受け取っていたら
もし、俺があの日お前に気持ちを伝えていたならば
お前は幸せになれたのか…?
あぁ、こう問い掛けてももう無駄なのか。
あ…?後悔なんざしてねぇよ。
初めにも言っただろ。
俺は俺の正しいと思ったことをやっただけだ。
じゃあな。
土方 十四郎
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―伝わっただろうか
俺達の言葉…
俺達は…
貴女の幸せを願っていました。
いや、今でも願っています。
貴女は幸せでしたか…?
そして今、幸せですか…?―
作品名:【銀魂】短文まとめ【CPなし】 作家名:千草