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剣ノ一声

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(ま、昔はね?今じゃあ肉体を失ったから青春は終わったけどね?でも、この坊やがご主人ってのも悪くないわ?ポッチャリしていて可愛いじゃない?それに、少しガッチリだし)

(・・・・・・さて、では私と君の戦空士で模擬線をこれから行う。寝起きだが異常ないか?)

(別に?たたき起こされたせいでいい眠気覚ましになったわ?)

「あっ・・・・ごめんなさい!痛かったですか?」

と、清二は自分がしでかしたことでとっさに紗江へ詫び入る。

(気にしないで?あと、心配してくれるなんて嬉しい限りよ?たかが物だからって粗末に扱われるかと思ったけど、優しい坊やなのね?)

「・・・・・・・・・」

声で赤くなる清二に俺の遊び感覚の拳が一発。

「そら!よそ見していたら危ないぜ?」

だが、胸へ命中のはずが、拳が着弾と同時に清二の体が凄い硬く感じて、手が痺れてしまった。

「痛てて・・・・・・何だ!?」

(「雷電」は防御力に特化した戦空士なのよ?基本的な攻撃ならビクともしないわ?そら清二、反撃よ♪)

「じゃ、じゃあいくぞ!」

清二は俺と違って真面目的に拳を放った。俺はよける余裕もなくガードを行ったが、清二の腕力が想像以上の威力だったため、俺は吹き飛ばされてしまった。

「うわっ!な、何だ!?」

「あ、ごめん!一斉、怪我はないか?」

(心配無用・・・・・戦空士同士の戦闘によって発生する損傷は軽微以下、気にせず渾身の一撃を浴びせあうがいい・・・・・・・・・)

(そうよ?ここは男らしく、ガツン!って入っちゃいなさい?)

「よし、じゃあ手加減しないぜ?清二」

「ああ、昔みたいにドンドン来い!」

俺達は小学生の頃に遊んだヒーローごっこでの取っ組み合いを初め、二人して殴りあったり蹴り合ったり、痛さは感じていないが、衝撃は感じる。あと避けたり避けられたり、遊び感覚

ではなく、実戦として、両者の英霊が厳しく指導してくれた。

(そうだ!体制を崩すな?そのまま一気に押し上げろ!)

「体格ならこっちが上よ?清二、そのまま投げ飛ばしちゃいなさい!」

「「この!!」」

掛け合い、俺達はお互いのパンチを食らい、そして地べたへ倒れた。弥生が不安でこちらを見つめているが、傷などはなく、あるといえば大量の汗が湧き出てくるだけ。

「ふぅ・・・・・こりゃあ筋肉痛になりそうだ・・・・・・・」

清二は息を荒くしてゆっくりと立ち上がる。

(まだまだね?もっと鍛錬して、もっと育成しなきゃ)

(初めてにしてはまぁまぁだ。この調子で日々練習を続けろ?)

「皆さん!急いでくさい?もう食堂にみんなが集まっている頃です」

弥生の声に俺達は息を整える暇もなく寮へ戻り、シャワーを適当に浴びて学級食堂へ一直線に突っ走った。

「そういえば、一斉?」

味噌汁を啜りながら隣で清二が俺に呼びかけた。

「何だ?」

「放課後に、なったらもう一度鍛錬しようぜ?」

「ああ、俺は別に良いけど?」

「俺達もそうだけど、今度は弥生ちゃんもつけてだ」

「私もですか?」

「うん、だって弥生ちゃんも戦闘服の巫女装束もらっているじゃん?だからさ、もしかしたらそれ着ると戦空士みたいに強くなれるのかなって?それに俺達も気になっているところだし

ね?」

「そうですね?是非鍛錬をお願いします。戦闘を行う際、ある程度の戦術は会得しておいたほうが良いですからね?」

(確か、弥生殿の対魔刀には「左近」が宿っておったな?)

「左近?それが弥生の刀の名前か?」

(うむ、まだ子供だが・・・・・・・まぁ、弥生殿なら心配ない)

「でも、一斉?練習にも放課後だから人に見られたりしたらどうするんだ?」

そんな中、清二が一番の難題を挙げてきた。確かに、校舎の裏側で騒がしいことが続くのであれば必ずばれていしまう。

(それなら心配しないで?取って置きの練習場所があるんだから)

「練習場所?紗江さん、そこは一体?」

清二は軍刀「紗江」を手に問いたずねる。確かに、俺も軍刀「竜蔵」を手にとって彼にも問いかけた。

「どういうことだ?」

(戦空士は当初、民間人との接触を最小限に抑えていたため、模擬戦として選ぶ環境が厳しかった。そのため、陰陽道が戦空士専用の練習間「亜空間」を作り上げてくれた。放課後、寮

で説明しよう)

俺は気にはしていたものの、食堂へ入ってきた千冬に「さっさとすませろ!」という怒号により俺達は早食いで授業を請けに行った。ちなみに今日ISの模擬授業に関して、俺達はやる意

味がないとされたので教室へ待機し、一般学科を受けることになったのだ・・・・・・・・・・・・・・・

さて、授業は早く終えて問題の放課後がやってきた。俺達は寮へ戻り、俺と清二の寮へ装束姿の弥生を招いた。

(では、我ら二刀を重ね、私が言いというまで目を閉じよ?)

竜蔵の言われたとおり、俺と清二は竜蔵と紗江を重ね、そして三人は目を瞑って、竜蔵の合図があるまで待ち続けた。

(・・・・・・・・よし、開けてもよい)

「ん?・・・・・・って!ここは!?」

俺達が目を開けたとたん、そこには学園の寮でなく、強大ながけの景色が目に映った。まるでアメリカのグランドキャニオンに想定するほどのスケールだ。いや、もっとでかく感じる。

「ここが・・・・・・・亜空間?」

俺は目を丸くし、ただ見回すことしか頭になかった。

(いかにも、ここが戦空士独自の演習亜空間「幻無」である。

「幻無・・・・?」

(久しぶりね?ここに来るのも)

(では、さっそく弥生殿にも演習を行ってもらおう。では、対魔刀を抜きなされ?弥生殿)

「は、はい・・・・・・・・」

弥生は今まで鞘に収めっきりであった対魔刀の赤い鞘を引き抜いた。真剣を抜くのは始めてであり、案外重く感じた。

(あれ?そこのお姉ちゃんが、ご主人?)

弥生の対魔刀「左近」の声である。聞いたところまだ声変わりに成り立ての声であった。

「あれ?子供の声だ・・・・・・・」

(あ!久しぶり!竜蔵のオッちゃんに紗江姉ちゃん!)

(こら、そのオッちゃんというのをやめろ?)

(相変わらず子供っぽいわね?)

(ところで、他の皆は?一緒じゃないの?)

(おそらく、それぞれ新たな主の手に渡っていっるだろう?)

(心配することはないわ?あいつらもタフだからきっとピンピンしているわよ?それにその内絶対会えるんだし)

(ま、そうだね?会いたくなくても磁石みたいに寄ってくるから大丈夫か?)

「こ、この子が・・・・・・私の刀なの?」

(始めましてかな?私は左近、こう見えても巫女をしていたんだよ?フフッ巫女装束も似合っているよ?)

「え?もしかして、女の子・・・・・・・なの?」

と、清二はうっかり言葉がこぼれた。口調は本当に少年のように口走っていたのだが、巫女と聞いて俺と清二はあんぐりと口を開けた。

(そうなの、この子はこう見えてざっくばらんな巫女なの・・・・・・・・本当に男の子みたいで危なっかしいから私も目が離せなくてね?)

(ちょっと!私はこう見えても十六だよ?もうあのときみたいに子供扱いはやめてってば!)
作品名:剣ノ一声 作家名:伊波鷹元