剣ノ一声
(本当のことを言ったのだ。それほど心配なのだよ・・・・・・・・・)
「それじゃあ、とにかく、これで役者がそろったってことだからさっそく練習を始めようぜ?」
俺の一声でこの場は緊張に包まれた。場所が違う上で弥生も参戦しているんだ。弥生はなれない手つきで左近の指導によって対魔刀を振るう。
「こ、こう?」
(うん!そんでもって、いっきにズバって振り下ろすんだ)
「こ、こうかな?」
力をこめ、刀を振り下ろした。すると、振ったと同時に対魔刀から衝撃波が生まれて目の前に佇む岩に半径一メートルほどの窪みを作らせた。
「い、岩が!」
(うん、中々だよ?もっと力を込めて振れば髑髏兵の一体や二体は軽く吹っ飛ぶね?)
「何だか、怖い・・・・・・・・」
(大丈夫!私だって最初は不安だったけど、使い道によっては命拾いすることもあるよ?)
「でも、使うには気をつけなきゃ・・・・・・・」
(ほら!今度は高くジャンプしてみて?)
「え、こうかな?」
適当に強く地面をけると、気がつけば上空二十メートルの付近に彼女の姿が捉えられた。
「え!な、なに!?」
そのまま弥生は悲鳴を上げながら地面へ激突し、俺達が急いで駆け寄ってきた。
「イタタ・・・・・・あれ?痛くない・・・・・・・?」
(当たり前だよ。だって弥生は戦空士と同じ性能を持っているんだからさ?)
「大丈夫か!弥生?」
「怪我とかは!?」
「ううん?大丈夫、私も二人みたいにある程度は怪我しないようになっているようなの。でも、少し恥ずかしいな・・・・・?」
そういうと弥生は頬を赤くしてたけの短いスカート上の赤い袴を手で覆った。落下した表紙に下着が見えてしまったのではないかと不安な様子。
「だ、大丈夫だ!俺達は見ていないから!」
「う、うん・・・・・・・」
それから数時間、暗くなるまでの間はこの亜空間「幻無」を使って鍛錬を行った。