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【ゼロの軌跡】 第1章

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ゼロ「確かに、サラは俺を裏切ってた・・俺に仲良くしてくれたのも俺を利用するためだったって聞いた時めちゃめちゃショックだったよ・・・でもさ、楽しかったんだよ!!たとえサラが20でも、はじめっから俺を裏切るつもりだったとしても、サラと青海のこといっぱいしゃべれるのが楽しくてしょうがなかったんだよ!!俺バカだからさ、どんなに考えたって、サラはサラなんだよ!俺の唯一の親友のサラなんだよ!!」








サラ「・・・・・・・・なんで・・・・・(サラの声が震えている)なんでよ・・・・どうして、私のことをまだ友達だなんて呼ぶのよ・・どうしてっ・・・どうして私のことを嫌いになんないのよ!?・・・・うっ・・・友達だなんて言われたら・・・情が移っちゃうじゃないのよ!!ううう・・・・・」 



サラは涙を流して泣いていた・・・


ゼロ「サラ・・・・」


チャップリン「うーーん、いまひとつ状況が読めないな・・・彼女に何が起きたんだ??」

ブリーチ「ちっ・・・使えない女だ・・・・ぐふっ・・・」 ブリーチが起き上った。


チャップリン「!!おっ、目を覚ましやがったか。」


ブリーチ「おい・・・・何泣いてるんだ。ぐっ・・・・おまえは、未来の空賊王だぞ。友情なんぞにうつつを抜かしている場合ではないぞ。」

サラ「うう・・・・・だって・・・・ゼロは私の初めての友達なんだよ・・・・パパぁ!!」


ゼロ・チャップリン「えぇっ!!?」


サラ「もうやだよ、パパ!私、やっぱ空賊なんかなりたくない!!普通の生活がしたい!」


ブリーチ「何言ってるんだ、サラ!!おまえは、悪魔の実の能力者なんだぞ。私の長年の夢であった悪魔の実を口にしたんだ!おまえが私の代わりに、空賊王を目指すと、誓ったじゃないか!何をいまさら、やめたいだ!はじめての友達だとぉ〜??おまえの心の中に下らん感情が出来ぬよう、生まれてからずっと家の中で生活をさせたのは何のためだと思っている!!」


サラ「でも・・・・ゼロは私のことを友達だと言ってくれた。私、こんなのはじめてなの。」


ブリーチ「なるほど、このガキがお前の心をかき乱しているんだな・・・」



チャキッ・・   



ブリーチはゼロの方を向けて銃を構えた。



ゼロ「!!」  



ブリーチ「死ね!」   





バンッ!!!


ブリーチは銃を放った!  




チャップリン「くっ・・・!!」




ドキュンッ!!!   


銃弾が命中した!!


ゼロ「・・・・・・なんで・・・・」     



ゼロの目の前にはサラが立っていた。


サラの体から血がどんどん流れ出してきている・・・




ゼロ「サラーーーっっ!!」    



サラ「・・・・・ゼロ、ありがとうね。こんな私を友達と呼んでくれて・・・・私も楽しかったわよ、あなたと過ごした時間・・・今まで生きてきた中で一番幸せだったのよ。あなたと話している時が・・・・・・ほんとよ。うそじゃないわ・・・・・うっ・・」



ブリーチ「!!?なぜ、どうしてなんだ、サラ!!死なないでおくれ、父さんが悪かった!!だから、父さんより先に行かないでくれ!」


ゼロ「サラ、俺もサラと一緒に過ごした時間が一番幸せだった・・・死ぬな、死ぬなよ!」


チャップリン「・・・・・・」


サラ「・・・・ゼロ、パパ・・・・・ありが・・・・」  


サラは静かに目を閉じた。




ゼロ「サラーーーーーーっっっ!!!」



ブリーチ「・・・・・・・・・・・サラ・・・・・」











―二週間後―





ゼロは、サラを失った悲しみにより生きる気力を失い、抜け殻のようになってしまっていた。ゼロは、何も考えずただ通りを歩いていた。すると、見覚えのある人影を見つけた。


ゼロ「・・・あ!」     それは空賊ロンリーチャップリンだった。

チャップリン「お。お前か・・・・」




二人はしばらく話をした。あの日のこと、あれからのこと。



チャップリン「俺にはお前にかけてやる言葉が見つからねぇよ。でもよ、ずっといなくなっちまった奴のことだけ考えてもよ、ちっとも前には進めないぜ。」

ゼロ「・・・ああ・・・・だけど・・・」

チャップリン「・・・・お前の夢って・・・なんだ?」

ゼロ「夢・・・・・・そうだ、青海。青海に行って、冒険するんだ。」


チャップリン「ふっ、なんだよ、ちゃんとあるんじゃねぇかよ夢。しかも、俺と同じ夢がよ。」


ゼロ「え?」


チャップリン「俺もよ、青海目指してるんだ。しかも、ただ青海に行くことを目指してるんじゃないぜ。『ひとつなぎの大秘宝ワンピース』を目指してるんだ!」


ゼロ「ワンピース・・・・」


チャップリン「そいつを手に入れたやつはよ、海賊王の称号を手に入れるんだ!」


ゼロ「海賊王!!・・・・・そうだ、俺の夢は海賊王だ!!そうだ、そうだよ!!」


チャップリン「へへっ、元気出てきたじゃねぇかよ。」  チャップリンは立ち上がった。


ゼロ「?」         


チャップリン「よし、俺とおまえはライバルだ。今の時代、だれもが空賊王を目指してるってときに、海賊王を目指してる奴なんてそうそういねぇ。だから、俺とおまえはライバルだ。どっちが先に海賊王になるか競争だ!」


ゼロ「おう!!負けねぇぞ。」


チャップリン「(ふっ、いい目してやがるぜ。)じゃあな。俺は先に旅に出る。」


ゼロ「あっ、ずりーぞ。」     


チャップリン「お前はまだ子供だからな、しっかり強くなれ!そして、俺に追いついてこいよ。」

ゼロ「当たり前だ。ぜってー追いついてやる!そして、俺が海賊王になるんだ!」


チャップリンはゼロのもとをゆっくり去って行った。そして、去り際にこんな言葉を残した。


チャップリン「・・・・・雲の果て(クラウドエンド)を目指せ・・・・・」

ゼロ「クラウドエンド・・・・・・」
















6年後・・・・・・・






―空島ヴェスヴェ   鈴なりの丘―


墓標に拙い字でこう書かれていた  


「ニコ・サラ きょうねん20才  親友」


墓標の前に一人の青年が立っていた。ゼロである。


ゼロ「サラ、俺今日旅に出るよ!青海にたどり着くまでの間は、ひとまず空賊だ!俺あれからめちゃめちゃ修業したんだぜ。サラ・・・今でもお前は俺の友達だから、俺のこと見守ってくんねぇかな??」



ゼロは荷物を持って墓標に背を向けた。   


ゼロ「すーーっ・・・・・海賊王に俺はなるっ!!!!」     





―空島ヴェスヴェ ドーナツポートー


ゼロは旅支度を整えて、港にてなにやら交渉をしている。

ゼロ「だからさあ、半額で売ってくれよーー。俺あんましお金持ってないんだよー。」

オヤジ「だめだめ。このウェイバー(風を動力とする空島特有の乗り物)はなあ、『ワック社』オリジナルモデルなんだぜ!きっちり四万ベリーもらわねえと売れないな。」



ワック社オリジナルモデル 「マリーホリデー NP10338」エスタニウム合金製