魔法少女リリカルウィッチーズvol.4
桜色と黄色の魔力の奔流がネウロイの先頭集団へ向けて放たれる。なのははディバインバスターを放射状に放ち、フェイトはトライデントスマッシャーを放った後、右から左へと発射する向きを変えて広範囲のネウロイを撃破していく。この一撃だけでネウロイの大編隊の実に5分の1程が撃墜された。
「…二人で全部倒せちまうんじゃねーか?」
「やだなぁ、ヴィータちゃん。それは流石に無理だよ」
苦笑いを浮かべつつ言うなのは。だがこの時、他の三人は思った。下手をすれば、なのはは一人でもこの大隊の相手をしかねない、と。
「よし、じゃあここからは各個撃破でいくよ!」
隊長達は防戦に入る。
そして10分後。隊長達とセイバーズ本隊が合流を果たした。
「もう首都は本当に目の前か…ぐっ!」
飛びながらふらつく美緒。それをミーナが支える。
「美緒、あなたもう魔力が…」
「何、心配ない。まだ行けるさ」
とは言うものの、苦しそうな表情を浮かべている。
「一旦戻って休んでもいいのよ?」
「ここまで来てそんなこと、出来るはずがあるか」
ここまでの戦いでかなり魔力を消耗してしまった彼女は、もはや気力で飛んでいるようなものだった。本来、20歳になって『あがり』を迎える年齢の彼女はそう長くは飛べない。だが彼女は最後まで戦士でいるために飛び続けている。身を守るためのシールドすら機能していない。そしてそれが、彼女が烈風丸を持った理由でもある。
「ならせめて、あまり前に出ないで」
それだけ言うとミーナは美緒から離れる。
本隊が合流したことにより、ネウロイの大編隊は瞬く間に撃破された。
「皆、さっきは迷惑かけて申し訳あらへん。でも、私達は幾多の困難を乗り越えてここまで来られた。その勇気があれば必ずクラナガンを奪還出来ると信じてる。今こそ、最後の力を振り絞るときや!」
再び騎士甲冑姿となったはやてが檄を飛ばす。
「全軍、前進!」
その一言で全軍一斉に首都へと攻撃に出る。
作品名:魔法少女リリカルウィッチーズvol.4 作家名:Dakuto