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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第79話

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  心底で幸せな動揺をする勇士朗を曲が置き去りにしていく。演奏が終わり、律がジョークを交えて新曲の練習の指示をする。

  律 「よーっし!ティータイムするか!!」

  すぐに梓が突っ込む。ツインテールのおさげが上に逆立つ。

  梓 「律先輩!ティータイムはさっきやったばっかりじゃないですかっ!!」

  律 「あれー?そーだっけかー?・・・・・なーんてなっ!新曲の練習始めるぜ!冒頭で一曲やちゃったけどな。」

  澪 「どの曲からやるんだ?」

  律 「んー・・・どのみち全部やるしなー・・・どれから始めても一緒だなー・・・。」

  澪 「そりゃそうだけど・・・。」

  すると、唯が率先して自分の作った歌をアピールした。

  唯 「はいぃっ!U&Iからやりたいぃ!!」

  梓 「くすっ、全部唯先輩の作った曲じゃないですか!」

  唯 「ねー、やろーよ、あずにゃ〜ん!」

  そう言いながらぎゅっと梓に抱きつく唯。梓が拒む。

  梓 「唯先輩、だからって抱きつかないでください〜!」

  唯 「むちゅちゅ〜・・・。」

  梓 「ぎにゃー!!やめてください〜!」

  ちょぱちょぱと口を梓に近づける唯。梓はひっしでもがく。

  唯 「あずにゃんは癒されるよー・・・ふももも〜。」

  今度は梓のほっぺたをすりすりする唯。

  梓 「ぎにゃにゃぁ〜!!」

  たわむれる(?)唯と梓に催促する律。スティックをシャンシャンと鳴らす。

  律 「おーい、いつまでもじゃれてないでやるぞー・・・そんじゃ、曲目に入れてる曲を一通りチューニングするか!」



  午前後半の平沢家。唯が土曜も部活という事で和が替わりに憂の看病にやってきた。門を通ると、入り口近くで勇が看病や家事の合間にエクスカイザーを洗車していた。

  和 「あ!おはよう、勇さん!」

  和の声に振り向く勇。笑顔でエクスカイザーと共にあいさつを返す。

  勇 「和ちゃん!おはよっ!」

  エクスカイザー 『おはよう、和。』

  エクスカイザーにも軽く手の平を見せて笑う私服姿の和。和は勇の近くへと歩を進める。

  和 「またエクスカイザーの洗車してるの?」

  勇 「ん?今日はワックスかけてんだ。」

  エクスカイザー 『こうやって洗ってもらえると汚れと同時に日々の疲れや戦場のマイナスエナジーも落ちるような感覚だ。実に清々しい限りだよ。』

  和 「ふふふっ、でもいいよね。愛車と会話しながらの洗車って!」

  勇 「まぁな!はははは!憂の看病手伝いに来てくれたんだよね?唯から聞いてる!」

  和 「うん。やっぱり人手が少しでもあったほうがいいかなと思って。」

  勇 「だな。おじさんもおばさんも働きづめだしな。ホント助かるよ、サンキューな!」

  和は少しばかり顔を赤くした。

  和 「あ、憂は部屋よね?」

  勇 「ああ、中で寝てると思うよ。」

  和 「それじゃ、お邪魔します!」

  勇 「おう!」

  その時、ふと和はエクスカイザーの修復光線の事を思い出した。

  和 「そういえば、エクスカイザーの修復光線で憂の風邪を治せたりはしないの?」

  エクスカイザーは和の問いにすぐに答えた。

  エクスカイザー 『修復光線はケガや骨折等様々な体の損傷の治療はできるが、病原菌を殺菌する作用はないんだよ。』

  和 「そうなんだ・・・。」

  勇 「俺も最近になって初めて知ったんだよな・・・。」

  和は勇の許を後にして、平沢家の家の中へと入っていった。

  勇 「・・・・・・私服姿も、似合ってるよなぁ・・・和ちゃん。」

  エクスカイザー 『勇は和の事が好きなんだな。』  

  勇 「あぁ・・・まー、なんつーんだ?気になるっつーか、そのだな・・・前に唯が和ちゃんが俺に気があるような事言ってってな・・・それ以降どうしても意識するようになって・・・気づいたら好きになっていたんだよな。」

  エクスカイザー 『そうか・・・勇としてはどうしたいんだ?』

  勇 「そうだな・・・・できれば付き合いたい。でも彼女も受験生なんだし、慎重にいかなきゃいけないんだよなー。」

  エクスカイザー 『誰かを愛するという感情は地球人に備わっているとても素晴らしい感情だ。勇なりのやり方とペースで頑張ればいいさ。』

  勇 「そっか・・・そりゃそうだな・・・。」

  目を閉じてふっと笑う勇。和の存在は、勇の中で支えの一つになろうとしていた。

  和は、そっと憂の部屋に入室する。憂は仰向けに寝ながらケータイを操作していた。

  憂 「あ・・・!和ちゃん!」

  和 「少しでも人手があったほうがいいかなって・・・その方が勇さんも楽になるし。憂、体調の方はどう?」

  憂 「うん・・・まだ熱はあるけど、来週になれば多分治ってるかなぁ。」

  和 「なんだか嬉しそうにメールしていたけど・・・。」

  憂 「そうだった!和ちゃん、実はね・・・。」

  憂は、この前に告白されて以降のことを和に話した。

  和 「本当にそんなことがあったの?!すごいじゃない!!」

  憂 「今そのコとメールしてたところなんだよ・・・。」

  和 「せっかく告白されたのに風邪ひいちゃって残念ね。」  

  憂 「でも、メールでやり取りできてるからいいよ。和ちゃんはどうなの?」

  和 「え?私?」

  憂 「せっかく今日は天気もよくて勇兄ちゃんが休みなんだから、二人でどこかに出かけてくればいいのに。距離が縮むかもよ・・・。」

  和は遠慮がちに拒む。風邪の憂を一人にしてデートするわけにもいかないからだ。

  和 「そんな!今日は憂の看病できてるんだから・・・。」

  憂 「大丈夫だよ。それに何かあったらケータイに電話するから。」

  和 「それじゃせめて唯が帰ってくるまで看病させて。やっぱり憂を一人にするのはちょっと気が引けるから。」

  憂 「わかった。ありがとう、和ちゃん。」

  和は、軽い昼ごはんを作って薬と一緒に憂の部屋へと持っていく。

  和 「軽い昼食を作ってみたわ。薬も一緒に持ってきたからまた食後に飲んで。」

  憂 「あ、ありがとう、テーブルの上に置いといて。」  

  テーブルの上に昼食と薬を置く和。憂はまたメールしていた。

  和 「・・・・その人ってどんな感じの人なの?」

  そう聞かれた憂は、告白されたばかりの時のことを思い出す。

  憂 「なんだかものすごくシャイなコだったなぁ・・・あ、名前は清次君っていうんだけど!顔真っ赤にしながらスゴイ緊張してて・・・。」

  和 「確か全速力でラブレター手渡して逃げていったのよね・・・。」

  憂 「今思えばそんな姿がすごく可愛かったなぁ〜・・・。」

  清次 「はっしょーい!!」

  清次の友人 「ぎゃーすっ!!きたねーな!!ぶっかかったわ!!」

  友人にクシャミをゼロ距離射撃(?)した清次。友人が悲惨な状況になる。

  清次 「あー、わりーわりー!」