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魔導騎士ショウ

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「さて、そろそろ本題に入るとするか…」

一番最初に口を開いたのはクロノだった。

「犯人を捕まえるためとはいえ、周りに被害をもたらす強力な収束砲、人がいなかっただけでも幸運に近いぞ。」

「そやね…」

はやてとカリムは首を縦に振る。

「逮捕という理由はあるが、本局の連中が黙ってはいないだろ。マスコミが騒いでることもあり、本局の重役は緊急の話し合いが行われてるらしい」

「そうかぁ〜やっぱり私はまだまだ力不足かもしれへんね。」

話を聞きはやてはしょんぼりと表情を暗くした。

「そう落ち込むことないわよ」

とカリムははやてを慰める。

「ありがとなぁカリム。」

笑顔を向けるがやはりどこか元気がないはやて。

「さて、問題はユーノが言っていた、ショウのデバイスのことだ。」

深刻な表情で紅茶を飲むクロノ。

「そやね」

「本局はどちらかと言えばそちらを問題視している」

「ロストロギア捜索の為に結成された六課がそれを使っているとバレたら…」

カリムの表情が曇るとクロノとはやても同じような表情をする。

カリムの言いたいことを悟ったのだろう。

「リンディー提督も現在動いてくれている。まあ心配するな。」

少し間を置き、クロノが口を開いた。

「ありがとなぁ二人とも…」

「とりあえずショウに関しては…」

「わかってる…しゃあないけどそれがショウ君やみんなのためでもある」

クロノの言葉をはやてが遮った。

「ほな、私もやらなきゃならないことあるし、この辺で失礼するなぁ」

静かに立ち上がり彼女は聖堂を跡にした。

「大丈夫かしら…」

カリムがはやての後ろ姿を見送り呟いた。

「大丈夫さ。そう柔じゃないはずさ」

クロノは再び紅茶に口をつけた。

機動六課医務室

気がつくとベットの上だった。

「あ、気がついた?」

突然声がしたので、そちらの方へ振り向くとシャマル先生だった。

「あの…僕は…一体…?」

状況が理解できなかったのでシャマル先生に尋ねた。

「ロード・カリスと戦って、その後あなた倒れたみたいよ。」

その言葉で僕は全てを思い出した。

なのはが倒れた後、スイッチが入ったかのように、僕は無我の状態で友恵たちと戦った。

その時に友恵と完全に敵対してしまったとそんな気がして仕方ない。

「シャマル先生…なのはは?」

友恵のことも心配だったが、僕のことを命がけで守ろうとしてくれたなのはのことがもっと心配だった。

兄として最悪な選択かもしれないが、今の友恵は、妹と言う気が、正直しない。

するとシャマル先生は遮っていたカーテンを開き、隣のベットを見せてくれた。

そこにはなのはが横になっていた、

「なのは!っぐ!」

起きあがろうとしたが思った以上にダメージがきつく、起き上がれなかった。

「やっぱりゆりかご事件が…?」


僕はそう呟くと、僕が知っていることに驚いたのか、シャマル先生は慌ててこちらを振り向いた。

そして静かなに頷いたのである。

「なのはちゃんの魔力値、全体の8%もダウンしてるの…」

僕は昨日の出来事を出来るだけ詳しくシャマル先生に説明した。

突然弱まったスターライトブレーカーのことを

シャマル先生の話では身体のあちこちにがたがきてると言っていた。

「治るんですか?」
「長期の療養生活をすれば…けどそれでも完治ってことにはいかないと思う。」

無茶をすればこういうことになる、だからなのはの教導は基礎固めがメインとシャマル先生は答えた。

僕はなのはの抱えている物の大きさに飲み込まれそうになった。

しばらくするとフェイトが医務室に入ってきた。

2、3、シャマル先生と言葉を交わすと僕のベットの方にくる。

「ショウ…大丈夫?」

「うん…」

僕は少し目をそらした。

「でも良かった二人とも無事で…」

「けど…なのはが…」

「大丈夫だよなのはは、ショウ君が守ってくれたし…」

「僕は何もしてない!…できなかった…」

僕の大きな声に、フェイトにお茶を容れようとしていたシャマル先生がコップを落とした。

「そんなことないよ…あなたはちゃんと…」

「いつもそうだ、僕は…守るといいながら守られてばっかり…」

僕は腕で目を隠した。

涙を見られないように

気を使ったのかフェイトは医務室から出た。

廊下にはエリオとキャロがいた。

「フェイトさん…ショウさん大丈夫なんですか?」

キャロが心配そうにフェイトに問いかける。

「うん…今はきっと色んなことが頭の中でごちゃごちゃと整理できてないだけだよ…」

「けど僕、わかる気がします。」

「エリオ…?」

フェイトが首を傾げエリオの方をみる。

「力がない虚しさが…」

三人は静かに医務室の前から移動した。

僕はベットの上で放心状態となっていた。

なのはやみんなを守るだけの力が欲しい。

そのことだけを考えた。

そういえば前の六課襲撃事件の時に戦った黒色の騎士がいってたっけ…

真の魔導騎士がどうたらこうたらと


僕は今までのことを冷静に省みた。

そして前日の大きな力…

その力さえあれば…と一つの終着点が見えた気がしたのだ。

騎士と言えば…やっぱりあの人だよなと一人の人物が見えたのであった

六課本部周辺

「それで、私の所にきたのか…」

僕の目の前に立つ長いピンク色の髪を持つ綺麗な女性…そう僕はシグナムさんに会いに来たのだ。

「はい、シグナムさん…僕に騎士道精神を教えてください…」

シグナムさんは夜空を見上げ、静かに息を吸い、僕の方を見た。

「お前は騎士というより魔導師の素質の方が強い…」

「は…い?」

「つまり私にはお前に教えることは何もない…」

シグナムさんはデータを僕に渡した。

そのデータの中には場所が記されていた。

「そこの場所に向かえ、話は通しておく…その場所に向かえばお前が望むことが現実になるだろう。」

シグナムさんなりの気遣いなんだろ。

僕は彼女に向かって静かに一礼をし、その場をたった。




六課 ショウとゼロの部屋。

「こんな朝から荷造りか?」

ゼロの言葉通り僕は荷造りを行っていた。

「うん…修業の旅に出る」

僕は彼に真意を伝えた。

なんと言っても彼は僕の上司だし。

「物好きだな…好きにしろ…」

僕は荷物を持ち、部屋、そして建物を出た。

建物に向かい一礼をし、心を落ち着けた所で目的へ向かおうと歩き始めた。

「待て…」

突然僕を止める声、振り向くとそこにはゼロがたっていた。

「俺も行く…お前の上司だからな…」

その言葉に僕は少し笑い、彼と共に歩き始めた。

目的地の無人世界カルナージと言う場所へ…




第11話 誕生 

若き頃は真っ直ぐだった。

己の正義を信じ、戦い続けた。

しかし俺は人の闇の部分を知った…

表があれば裏がある。

もし正義が敗れた時、その正義に勝った悪を倒せるのは悪だけだ。

魔導騎士ショウ…開始する

byカリス




「ここが、無人世界カルナージかぁ…」

僕たちは数時間かけて、この世界、カルナージと言うところにやってきた。
作品名:魔導騎士ショウ 作家名:天道 一