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魔導騎士ショウ

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その名の通り、この世界には人がいないはずなのだが…

「これからどうするつもりなんだ?」

ゼロが僕に尋ねてきた。

「シグナムさんの話では、迎えがくるって…」

「あ〜いたいた。」

考えこんでると明るい声が僕たちの耳に入ってくる。

「ん?」

振り返るとピンク色の長い髪をした女性と少女がいた。

「私、メガーヌって言うの。そしてこの子は娘のルーテシア」

そう言うと、物静かそうな少女は僕たちに軽くおじぎした。

「シグナムさんから話はきいてるわ。とりあえず私たちの家に案内するわ」

そういい僕たちは彼女たちについていった。

案内されるままに僕たちは移動する。

その途中、なのはたちが、訓練でこの世界をよく利用していることを知ることとなる。

「着いたわ」

メガーヌさんの誘導で目的地に着いた。

「洞窟…?」

僕たちはキョトンとその洞窟を見つめた。

「そうよ。でもただの洞窟じゃないわよ」

僕たちはメガーヌさんを一目見て、視線をまた洞窟に戻した。

「ここはね、自分と戦う訓練をするの」

その言葉の意味を理解することが今の僕には無理だった。

ミッドチルダ
機動六課本部

「なんやて!」

部隊長室にはやての言葉が響く。

「うん…部屋に行ったらショウもゼロもいなかった」

フェイトが心配そうにはやてに相談する。

「なのはちゃんの状態もまだ回復してへんのに…」

はやてが悔しげな顔で爪を噛む。


無人世界カルナージ


「自分と戦う訓練?」

僕は意味不明な言葉に首を傾げる。

「そう。そしてなのはちゃんたちでも、洞窟に入ってられるのは、1日が限界だったわ。」

どうやらこの洞窟での訓練は想像以上に過酷らしい。

「で、2人の内どっちから入る?」

「俺が入る」

僕が口を開こうとした時、ゼロが先に開いた。

「積極的ね〜ショウ君はそれでいい?」

「はい」

僕は楽しそうなメガーヌさんをみて、苦笑いをしてしまった。

「じゃあデバイスは預かるわね?」

ゼロは言われようにデバイスを預け、洞窟に入っていった。

「私たちは家に行こうか?」

僕はメガーヌさんに手を引っ張られ彼女たちの家に向かった。

???

男が一人暗い部屋の中でデータを見つめている。

「カリス様、準備ができました。」

青き騎士ルートが部屋に入ると、データをみていたカリスはウィンドウを閉じた。

「ああ、ご苦労…」

カリスは椅子から腰を上げて、ルートの方に体を向けた。

「いよいよ計画実現の時ですね…」

「ああ、ウイングスターは手に入れられなかったが仕方がない。」

カリスが一歩前に踏み込んだ時だった。

ルートが長く疑問をもっていたことを口にした。

「カリス様は何故、管理局に恨みを…?」

カリスは立ち止まり、一息入れて口を開いた。


「私は昔管理局の人間だった…」



当時私は本局武装員と活躍していた。

そして武装員として過ごしていた私に掛け替えのない人物と出会った。

キーン・ハースト

接近戦型の魔導師で、主に特攻隊として活躍していた男だ。

やがて私とやつは意気投合し、共に特別部隊として、各地の重要任務をこなしていった。

ところがある日…

「どうしたキーン、顔色悪いぞ?」

「いや…大丈夫だ。カリス心配するな」
「今本局から依頼されている研究が大変なんじゃ…」

「まあそんなとこかな…はは、じゃあその研究があるし、今日はこの辺で…」

「ああ…」

当時、キーンは本局から依頼されていた研究とやらに参加していた。

その晩、どうしても胸騒ぎした私は、その研究施設に潜入した。

そこで私は…

「ぐわぁぁぁ!」

キーンが苦しめられている姿を目の当たりにした。

キーンの周りには何人もの女性がたくさんいた。

「な、何を」

研究員はキーンに女性を触れさして魔力エネルギーが起こっているところを記録していた。

「上出来だな…」

研究員の一人がそうつぶやいた。

そして次の瞬間、辺りが光に包まれた。

どうやらその瞬間気を失っていたらしい。

私自身ガレキの中に埋まっていた。

周りを見渡すと、キーンが倒れていた。

「キーン!」

私はすぐにやつに駆け寄った。

「か…カリス…」

しゃべるのがやっとなようだ。

「しゃべるな!すぐに病院に!」

「く…うぅ…」

やつは私の手を必死につかみ

「われわれは…まち…がって…いた…」

その言葉を最後にやつは永遠の眠りについてしまった。

「そんなことが…」

ルート自身言葉を失っていた。

「後で知ったのだが、その研究施設では人体デバイスの研究をしていた。」

「人体デバイス…」

「だからこそ繰り返してはいけないのだ!」

カリスは力一杯拳を握りしめた。

女王の間

「友恵様、準備ができました」

カリスは友恵に頭を下げた。

「ええ、ありがとう。でははじめましょう。」



ミッドチルダ森林部

ミッドチルダ森林部に広がる緑が大きく揺れ出した。

そして地面が割れて、黒い戦艦のようなものが姿を表す。

「友恵様お願いします。」


ミッドチルダ都心部

今朝もミッドチルダは人がたくさん行き来していた。

いつもニュースを映しているモニターが画面を変え友恵を移す。

「みなさま、我々はエンペラー、そして私はこの世界を統一するものです。」

友恵の演説が全異世界に流れた。

「管理局のみなさんへ、要求いたします。3日待ちます。全武装員、上層部は私たちエンペラーの前に武装を放棄し、私の統一世界へ参加しなさい。」

友恵自身、言わされているのかわからないが、条件を述べていく。


「以上の事が呑めない場合はこの世界を滅ぼします。」

以前の笑顔はそこになく、世界の支配者として君臨しようとしていた。

「ではよいお返事を」

そういい、LIVE画面は消えていった。

世界が混乱しはじめる。

果たして管理局はどう動くのか…

そして僕自身は…

























第12話 タイムリミット

あの日出会った男の子…

上手くいえないけど私の中では特別なのかもしれない

互いに素直になれなくて、すれ違うことも多かった。

でも私は信じてるよ。

魔導騎士ショウ始まります。

Byなのは




ミッドチルダ総本部

「やっぱりドタバタしとるね」

総本部内をそわそわ歩く二人、六課部隊長八神はやてと六課フォワード部隊隊長ティアナ・ランスターが会話を行う。

「エンペラーの件を相当問題視してるみたいです」

「せやけど、うちが問題視しているのは、カリスではなくエンペラーの女王と名乗る者や」

はやての顔が険しくなる。

ティアナとはやてが大室に入るとリンディー提督の姿があった。

「はやてちゃん、お久しぶり〜」

「お久しぶりです、リンディー提督」

二言ほど挨拶を交わすと即、会話が始まった。

「資料によると、エンペラーの女王と名乗るのは…ショウ君の妹ということね」

リンディー提督は厳しい顔付きで資料をみた。

「で…その本人は?」

「申し訳ありません。はっきりいって、私の管理ミスです…」
作品名:魔導騎士ショウ 作家名:天道 一