魔導騎士ショウ
シグナムの言葉にルートが疑問を抱いた。
しばらく間が空いた後、再び剣と剣の競り合いが始まる。
「確かに私とお前は似ている…しかし決定的な違いがある」
シグナムの攻撃がルートを押し込む。
まるでその言葉が後押ししているように。
「それは人間らしさだ!」
人間らしさ…シグナム達は八神はやてと出会ったことにより大きく変化をもたらした。
「行くぞ!アギト!レヴァティン!」
自分のデバイスと融合騎の名を呼び、全力の攻撃をルートに仕掛ける。
「ふん!」
ルートはデバイスでシグナムの攻撃を受け止める。
しかし次の瞬間、ルートのデバイスが破壊されそのまま攻撃がルートにクリーンヒットするのであった。
そのままバインドをかけられ、ルートは拘束される。
ルートは一言つぶやいた。
「人間らしさか…お前たちにその時間があるのか?」
「今ある時間を精一杯生きるだけだ」
ルートの質問にシグナムは力強く答えた。
「成る程な…それがらしさか…」
ルートは納得し、負けを受け止める。
「はぁぁぁぁぁぁ!」
カリスの拳とゼロの剣が激しくぶつかり合う。
「何故だ!父親は管理局に殺されたんだぞ。」
カリスは疑問を拳に乗せてぶつける。
「確かにそうかもしれない…けど…あんたがやらなきゃいけないことは俺に親父のことを語ることじゃないのか!」
一方ゼロは疑問を剣で受け止め、弾き返す。
「!」
ゼロの力ある攻撃にカリスは圧倒されていた。
ゼロの攻撃が止まり、互いに間合いをとる。
「あんたの想いが本物なら、来い!」
その言葉通り、カリスは力を右手に溜め込み、ゼロに向かい突撃する。
「親父…力を貸してくれ…」
魔法陣を展開するゼロ
向かってくるカリス
「ハースト家伝統奥義…ファントム…スラッシュ!」
カリスとゼロがすれ違う。
その瞬間決着は着いていた。
カリスは崩れ落ちる。
カリスはゼロの方を見て
「キーン…本当に私は間違っていたのか…」
ゼロと重なるキーンに問いかけた。
ゼロはカリスを支え、バインドをかける。
「罪を償え…そして俺は待っている…あんたが親父のことを語るのを…」
そうゼロは一言つぶやいた。
女王の間
「はぁはぁ…」
僕と友恵は激しくぶつかり合っていた。
「無駄よ。私を止めることはできない!」
自信たっぷりに友恵は言った。
「絶対救い出す!」
ボロボロになりがならも僕はウイングスターを構えた。
待ってろ…友恵…
第14話 絆
僕たちは歩んでいかなければならない…
それぞれの道に…
魔導騎士ショウ
「クインズ!」
友恵は自分のデバイスの名を呼び、僕に攻撃を仕掛ける。
「く!」
ウイングスターで受け止めるが、じりじりと押され気味だ。
「友恵…やめるんだ…お前にそんな物騒なものは似合わない…」
「うるさい!」
僕の言葉に友恵は興奮し、僕を切り飛ばす。
2人の間に距離が出来る。
「はぁはぁ…」
「ショウ君…」
なのはが僕たち2人を心配そうに見る。
「お兄ちゃんに…お兄ちゃんに私の気持ちなんかわかんないわよ!」
しばらく間が空いたあと、友恵が口を開いた。
「わかるさ…兄弟なんだから…」
僕は構えていたウイングスターを降ろし、友恵に自分の気持ちを伝えた。
「!」
「お前は自分の足で歩こうとしたんだな…自分の道に。けど…もう無理しなくていいんだ…帰ろう…友恵…」
僕は友恵に手を差し伸べる。
「確かに…私はお兄ちゃんから自立しようとした。カリスのことは初めは許せなかった…けど…カリスの事情を聞いている度に…その気持ちは薄れた。私はカリスや4騎士のような、悲しい想いをしている人たちを守りたいって思った…」
友恵は自分の想いを話し始めた。
「けど…お兄ちゃんが…お兄ちゃんがいくら助けようとしても…もう遅いの…」
友恵の瞳から涙が出てくる。
この世界に来て、始めて見せた本当の顔だ。
「まだ間に合う!」
「間に合わないよ…私の中には天の書もあるから…お兄ちゃんを倒せってさっきから…」
友恵の涙とは別に操られたかのように友恵は僕に攻撃してくる。
僕は攻撃をまともにくらい隙が出来た所を友恵は僕にバインドを掛けて締め付ける。
「ぐっ!」
その瞬間、僕の懐から写真立てが落ちる。
「その写真は…」
友恵の動きが止まる。
写真は僕たち家族の写真だった。
数時間前
特訓を終えた僕たちは急いでミッドチルダに戻る。
「急いで戻るぞ」
ゼロが僕が来ると荷物をまとめる。
「うん…悪いんだけど…先に行っててくれない?」
「何!」
僕の言葉にゼロは驚いた。
「大事な物を取りに行く」
そう言い残し、僕は地球にある僕の家に向かったのであった。
現時刻
女王の間
「何で…何でそんな写真持ってるのよ!」
「家族の絆だからだ…思い出せ友恵…僕たちは確かに…家族だったんだ…だからこそ辛い時や悲しい時、助け合うのは当然なんだ。帰ろう!友恵!」
僕はその言葉と同時に力一杯、バインドを外す。
「私だって…私だって戻りたいよ!」
友恵の本心がやっと言葉に出る。
「諦めちゃダメだよ…大丈夫…私とショウ君が必ず助けるから!」
「なのはさん…」
なのはもボロボロになりながらも友恵を励ます。
2人の思いをぶつけ、それに打たれた友恵は涙を流しながら、天の書に乗っ取られた体で僕に攻撃を仕掛けてくる。
「お兄ちゃん…」
僕は友恵の攻撃をよけながら、隙を探し、友恵を助け出す方法を考える。
「大丈夫だ。友恵…もう少しだけ我慢するんだ」
天の書に操られた友恵は僕から距離を取り、魔力砲のチャージを行う。
すかさず僕も魔力砲のチャージを行う。
「サイクロン…ブラスター」
僕の魔力砲と友恵の魔力砲が激しくぶつかり合う。
ぶつかり合った後、互いに相殺される。
その瞬間、友恵の体にバインドがかかる。
なのはが力を振り絞り、友恵の隙を作った。
「ショウ君!今のうちに」
僕はなのはに駆け寄る。
「力をかして欲しい…」
僕はウイングスターを遠距離モードに変更させる。
その後、状況を読んだレイジングハートが変形し、ウイングスターと合体した。
「レイジングハート…」
さすがのなのはも驚きを隠せなかった。
「なのは…約束を果たす時でしょ…」
僕はウイングスターとレイジングハートが合体したデバイス、レイジングスターの半分を持ち、なのはももう半分を持つ。
2人の足元に魔法陣が展開される。
「ショウ君…私の最後の訓練だよ」
「うん…」
「全力全開で行くよ!」
僕たち2人は力を合わせ魔力砲のチャージを行う。
「全力…全開…スターライト…ブレイカーァァァァァ」
掛け声と共にスターライトブレイカーが放たれ、友恵に当たる。
同時に友恵の中の天の書を焼き払う。
スターライトブレイカーをうち終わるとなのはは僕の後ろで崩れ落ちた。
「なのは!」
「大丈夫…友恵ちゃんを…」
僕はなのはの言葉に甘えて、友恵に駆け寄った。