魔導騎士ショウ
「ふん、足手まといじゃないと言うなら、証明してみろ…」
ファントムを構え、赤いバリアジャケットを羽織うゼロ。
「いいよ、証明してやる」
僕もウィングスターを構え、バリアジャケットを身に纏う。
僕らは共に空中に移動した。
「あ、ど、どうしよ…ティア」
「あーもう!バカスバル、おどおどする隙あったら隊長達呼んできなさい。エリオはシャマル先生を」
「あ、うん。そうだね」
「はい。」
スバルとエリオは急いでティアナの指示どおりに動く。
「キャロ、わかってるわね?」
「はい、召喚術で動きを封じます。」
キャロとティアナが構えた。
ヒューっと夜空に風が響く。
「後悔するなよ…」
ゼロがボソッと言う。
「僕は…負けない…」
一斉に間合いをつめる。
「キャロ!」
ティアナがキャロに合図を送る
「ダメです。速すぎます」
キャロのスキルが、二人の動きについていかないのであった。
「流石はルーキーでもSクラス魔導師ね」
悔しそうに爪を噛むティアナ
静かな夜空とは裏側に激しい戦闘が始まった。
ウィングスターとファントムの刃が激しくぶつかり合い火花を散らす。
「ウィングスター!」
『ALL right』
僕がウィングスターに命ずるとライフルモードに変わった。
「アクセルシュート」
僕がゼロに向かい無数弾を放つと、
「ファントム!」
ゼロの掛け声と共に風が巻い、僕の魔力弾を無効にした。
「く!」
「遅い!」
隙をみて、ゼロが僕に切りかかる。
「!」
間一髪の所で回避した。
「ちっ」
お互いに間合いをとる。
同時に魔法陣を発生させる。
「ファントム!」
『ラジャー』
「ウィングスター!」
『ALL right』
魔力チャージを互いに始める。
チャージを終え
必殺技を出すタイミングにさしかかり、同時に大きなエネルギーを放出する。
「ディバイン・バスター!」
「スクリューザンパー!」
大きなエネルギーが衝突した。
第5話 覚醒する力-前篇-
二人の少年はぶつかり合った。
自分のことばかり考えるのは簡単だけど、人と意見をあわせるのは難しくて、ぶつかり合うのは当然だよね?
私たちもそうだった。
魔導騎士ショウ始まります。
Byフェイト
「ディバインバスター!」
「スクリュー・ザンパー!」
大きな魔力エネルギーがぶつかり合う。
辺りは光に包まれた。
「はぁ…はぁ…やったか…?」
僕は辺りを確認した。
「……っ!」
上を見上げると赤きバリアジャケットを羽織ったゼロが切りかかってくる。
『protect』
ウィングスターの声とともにシールドが発生し、僕を守る。
「今のでこの俺を倒したと思ったのか?」
「そんなわけ…」
『ソードモード』
僕が答えるのと同時にウィングスターがソードモードに変形する
「ないだろ!」
相手の攻撃を跳ね返し、切りかかる。
「ちっ!」
間一髪の所でゼロは僕の横一線をよける。
互いに間合いを取った。
「これが…オーバーSランクの戦い…」
ティアナとキャロが唖然としながら僕らの戦いを見る。
「ウィングスター…100%フルパワーで行くよ…」
『all right my master』
シャキンっと僕の足下に魔法陣が出現する。
「っ!魔力値が変化した…ファントム!」
『defense』
ゼロはファントムを構え防御体制に入った。
「ディバイン…」
魔力エネルギーをウィングスターの発射口へチャージする。
「バス…」
僕がディバインバスターを撃とうとした瞬間両手が広がり、ピンク色の光の枷が僕にかせられた。
同時にゼロも同じ状態になった。
「な、何だ?」
「ちっ!バウンドか…」
「何してるのかな…」
漆黒の夜空に白き魔導師がゆっくりと降臨した。
「なのは…」
「二人とも…とりあえず武装を解除しようか?」
僕らは武装を解除した。
ゼロも納得行かなかったようだがなのはの真剣な表情に彼も武装を解除した。
その後僕たちは八神部隊長の部屋に連れて行かされた。
「それで、市原一等空士、ハーストン曹長、両名はどういう理由でこんなことになったのか説明してくれませんか?」
はやてが溜め息混じりに僕らに問いかけてきた。
しかし僕らは黙秘を続けた。
「はぁ…高町一尉…あなたに処分の決定を委ねます。」
はやては気を使ったのかなのはに全てを任した。
なのはならわかってくれるかも、そう僕は勝手に思い込んでしまった。
「じゃあ二人とも…こちらの指示があるまで謹慎処分とします」
え…
謹慎処分って
「どういうことだよ…なのは!」
「何を言っても、今のショウ君達は無駄だから、少し…頭を冷やすといいよ…」
そう告げると僕は連れて行かれた。
真っ暗な部屋に。
ゼロとは別々の部屋だ。
当然だろ。
「くそ…」
声だけが部屋に響く。
ゼロの部屋
ゼロはぼくと違い、いつも通りクールに振る舞っている。
「あの魔力…」
ゼロは僕とのケンカ(?)を思い出していた。
「直射砲を撃つときとの魔力値の変化…ひょっとしたら本当に…」
ゼロはそう呟き、拳に力を入れた。
機動六課、なのは、ヴィヴィオ、フェイトの部屋
「スースー…」
「ふぅ…」
フェイトはゆっくりと息をはく
「あ、フェイトちゃん。ありがとう、ヴィヴィオ、ちゃんと寝た?」
なのはの隣に座りフェイトもリラックスモードで話かけた。
「うん。今日は学校で色々あって疲れたみたい…」
「にゃはは、そっか。ヴィヴィオも大変だね。」
「うん。なのはは大丈夫なの?」
フェイトは心配そうになのはを見つめた。
「聞いたよ。ショウ君達のこと」
なのはは立ち上がりフェイトに真剣な表情を見せた。
「大丈夫だよ…今は少し現実に追いつかないだけだよ…自分の本当の夢が見つかれば…ショウ君は強くなる。魔法じゃなくて心が、」
「そうだね」
なのはとフェイトが微笑み合う。
「ショウ君に優しいね」
フェイトがなのはをからかうようにいった。
「はうっ!ち、違うよフェイトちゃん、そんなんじゃないんだからね。」
なのはが慌てて言い返すと
その後二人でクスクスと笑いあっていた。
ウィーン、ウィーン
『緊急事態、緊急事態』
六課に警報が鳴り響く。
司令室
「なのはさん、フェイトさん聞こえますか?ミッドチルダ上空にオーバーSランク魔導師、数三がいます。その三人、を捕獲してください。」
シャーリーさんがなのはたちに指示を出す。
「了解」
二人はミッドチルダ上空へ向かった。
「はやて部隊長、地上にガジェットが…」
「シャーリー、フォアード部隊を現地に向かうように指示を。」
「はい」
ミッドチルダ上空
「なあルート、本当にくるのか?」
「さあな、私達はカリス様の指示に従うだけだ。」
青い騎士と灰色の騎士が話している。
「きたら二人ともわかっている?」