魔導騎士ショウ
スバルに言われて画面を見ると確かに終わっていた。
「にゃはは、ホントだ、ごめんごめん。」
そう無邪気に笑いながら私はパソコンの画面を閉じた。
「どうしたんですか?ぼーっとしちゃって?」
「うん、少し昔のこと思い出してただけだよ」
「昔のこと…ですか?」
「うん」
キンコーンカーコーン
「ん?」
私が机から立ち上がると、目の前に市原君が立っていた。
「え、えーと、どうしたのかな…?」
正直あんなことがあったあとだったから、少しびっくりした。
「や、やぁ、たかまち、いま、すこし、いいかな?」
明らか棒読みな言葉に私は
「くす、いいよ。」
彼に笑顔を見せた。
学校の屋上
「で、どうしたのかな?」
「………」
「市原君?」
「とりあえず、ありがとう。」
「え?」
私はキョトンとした顔で見る。
「茂と友達になれた。」
「違うよ。私は何にもしてないよ。市原君が友達になりたいから、なれたんだよ。」
私は彼に笑顔で話しかけた。
「なりたいという気持ち…」
「うん、そうだよ。」
「高町…」
「なぁに?」
「君ともなれるかな?」
「うん、もちろんだよ。」
私はニッコリと笑った。
「それに、友達なら、高町じゃなくてなのはだよ?」
私は指を立てて、彼に指摘をした。
「なのは…」
「うん」
これが私たちの最初…
六課本部、ショウとゼロの部屋
カタカタと僕は朝からパソコンへ向かっていた。
「朝から忙しいやつだな?」
ゼロが僕に話しかけてきた。
「うん、こないだの騎士集団のことで。」
そう言い僕はこの間の戦闘記録を画面に出した。
「デバイスか…」
「うん、僕達のウイングスターとファントムにそっくりだ。特性、形態…」
先日の襲撃犯のデバイス、それらは全てに置いて僕達のデバイスと瓜二つだった。
「ゼロ、前から聞こうと思ったんだけど、デバイスの入手先は?」
「我が家に代々伝わるデバイスだ。」
「それ以外は?」
「何も」
ゼロは静かに目を閉じた。
「お前は?」
「父さんが遺跡から発見したんだ。」
「ロスト・ロギア…」
「その可能性は否定できない。」
僕はデータをまとめるとパソコンの画面を閉じた。
「ユーノ・スクライアーという学者に会いたいと高町隊長に相談してみろ。」
「なのはに?」
「ああ…ロスト・ロギアに詳しい。あと会ってからあんまりガッカリするなよ」
そういいゼロは部屋を出た。
「どう…いうこと?」
キョトンと部屋に残った僕であった。
???
「ルート、ラストは?」
「まだ傷が癒えないようだ。」
「ちっきしょ、白色め」
この間の襲撃犯の騎士集団が話し合っていた。
「集まったようだな」
そこへ現れた、額に傷がある男、ロード・カリス
「カリス様」
三人の騎士が整列する。
「しかしよぉ、何でウイングスターがいるんだよ。」
「女王のデバイスはウイングスターではないとだめなのだ。プロトタイプだからな」
「俺たちのNシリーズとは違うんだな。」
ドレインは拳と手のひらをぶつける。
「とは言え、お前たち四人の騎士には感謝している。」
「我々はカリス様、あなたがいなかったら…」
ルートはカリスに言葉をかけた、
「昔のことだ…女王の様子を見に行く。
出撃に備えておけ」
そう言い、カリスは奥の部屋にいった。
「昔の感情など、すでに…」
そう悲しくつぶやいた。
あの後僕は彼女に謝った。
なのは自身から学ぶのは本当に多い。
そう今回の事で思い知らされたのかもしれない。
「ロスト・ロギアの可能性か…なるほどね。」
僕の推論を彼女に報告した。
「それで、ショウ君はどうしたいの?」
「ユーノ・スクライアーっていう学者に会いたいんだけど…」
「あ、ユーノ君ね。うん、わかった連絡を取ってみるね。」
「うん…」
そういえば、ユーノって人とどんな関係何だろ。
ふと今朝のゼロの言葉を思い出した。
【ガッカリするなよ】
ま、まさか、特別な男性
ガーンっとショックを受ける。
ゼロのやつ〜
「ショウ君?連絡取れたよ?」
「あ、うん。」
「とりあえず、明日会いにいってみよ?」
明日、確認しなきゃなのはとの関係を!
少し目的が変わってしまった僕だった。
第8話 受け継がれる願い
俺自身何もいらないと思っていた。
けど奴は最後まで真っ直ぐで、何よりもあきらめなかった。
奴なら俺の最高のパートナーになるかもしれない。
魔導騎士ショウ始まります。
Byゼロ
カチカチと腕時計の音がなる。
時刻は9時55分、約束の時間まであと5分をきった。
周りから見ればまるでデートの待ち合わせに見える…
…がそんなに嬉しいものではない。
実際はなのはの仲介で、ユーノ・スクライアーという学者に会う所だ。
カーン、カーン
時計台の10時の知らせの音色が公園に響く。
「あーショウ君〜」
遠くの方から、僕の名を呼ぶ声が聞こえた。
「ごめんごめん。ちょっと遅れたかな?」
「いや、全然大丈夫だよ。」
こういうやりとりなのはと出来るなんて夢のようだ。
「えっと、君かな?」
この声に夢から現実と引き戻される。
「どうも、ユーノ・スクライアーです」
「市原翔です。」
軽く挨拶を交わし、場所を移した。
どうやら近くに仕事場があるらしい。
僕たちは、仕事場に向かった。
その途中、ユーノとなのはが楽しそうに話しているのを見て、何だかせつなくなってしまった僕だった。
仕事場に着き、会議室の用な所に入ると、僕たちは席に座った。
「じゃあ早速、本題に入ろうか?」
「うん。連絡した時も言ったようにショウ君のデバイスのことで…」
「とりあえず見せてくれないかな?」
スクライアー先生に言われた通りに僕はウイングスターを取り出す。
ウイングスターはstandbyモードの状態で、星形のバッジみたいな形をしている。
似ている形を言うならバルディッシュだ。
「見た所、普通のデバイスだね。」
先生は少し解析するといい、僕たちを分析室に連れて行った。
「見た目はバルディッシュとそっくりだけど、中身はレイジング・ハートそのものだ。」
その言葉に少し驚いたが、先生の話にさらに耳を傾ける。
「こ、これは…」
彼の驚きの声に僕となのはは首を傾げた。
「ユーノ君?」
なのはの問いに、スクライアー先生は答える。
「今、レイジング・ハートとバルディッシュのシステム本体とウイングスターのシステムを照らし合わせたんだ…しかも、どちらとも一致した」
「それって?」
「二つのデバイスとウイングスターは親子の関係ってことだよ」
僕たちは驚いた。
ロストロギアかどうかを調べにきたのにそれ以外のことがわかるなんて
「で、結局はロストロギアなんですか?」
僕は単刀直入に聞いてみた。
今日の本題を
「それは調べてみないとわからない。システムの資料をコピーするから少し待ってて」
スクライアー先生はコピーに移る。