Ib ~とある美術館での物語(2)~
「んー、ちょっと動かしてみるわ。倒れると危ないから少し離れててイヴ」
そう言われて私が置物から少し離れるとギャリーは置物の横に移動し、
「よっ・・・っと」
と言って置物をドアの前からどかした。
「よし、これで通れるようになったわ。それじゃあ次の部屋へ行きましょ」
そう言ってギャリーが次の部屋に行こうとしたので私もあとを追った。
次の部屋に入るとドアから真っ直ぐ通路があり、部屋に入ってすぐのところで左右に少し広いスペースがあった。左右のスペースにはそれぞれ絵が一枚と手の形をした置物が一つ置いてあった。
「この右側にある置物は・・・『悲しき花嫁の右手』ね、で絵は・・・『嘆きの花婿』か」
そう言ってギャリーは左側へ移動した。
作品名:Ib ~とある美術館での物語(2)~ 作家名:エグゼター