Ib ~とある美術館での物語(2)~
「ほら、見付けてきたわよ」
「ああ、なんと本当に見付けてくれるとは、本当にありがとうございます」
「見付けられて本当に良かったねギャリー」
「そうね。ところでこの指輪はどうしたらいいのかしら?直接渡すことなんてできそうもないけど」
「指輪でしたら花嫁の指にはめてください」
「え?花嫁って花嫁も絵のなかでしょ?」
「あ、私の言っている指と言うのはあなたの後ろにある置物のことです」
「後ろの・・・ああ、そういうことね」
そう言ってギャリーは後ろに置いてある置物を見つめた。
「でも、指輪って花婿が花嫁にしてあげるものじゃなかったかしら?」
「普通はそうでしょうけど残念ながら私は絵から出られないので・・・」
「あ、そうなの。んーアタシがはめてもいいけどなんか悪いし・・・、そうだ!イヴやってみない?」
作品名:Ib ~とある美術館での物語(2)~ 作家名:エグゼター