Ib ~とある美術館での物語(2)~
「え?私?」
「そう。あなたなら女の子だしアタシがするよりいいと思うの」
「そうなの?・・・わかった」
「それじゃあお願いね。・・・あ、一応聞くけど右と左どちらのどの指にはめるかわかってる?」
「んー、・・・確か左手の薬指・・・だっけ?」
「そうよ。よく知ってたわね」
「前にお母さんから聞いたことがあったから。ちょっと忘れかけてて自信なかったけど」
「そうだったの。それじゃあ改めてお願いねイヴ」
そう言われて私は『悲しき花嫁の左手』の薬指に銀色の指輪をはめた。
「あ、・・・これは私がなくした指輪」
「そうだよ。この人達が指輪を探して持ってきてくれたんだ」
作品名:Ib ~とある美術館での物語(2)~ 作家名:エグゼター