Ib ~とある美術館での物語(2)~
「えへへへへへへ、はな・・・おはな、いいなぁ・・・」
相変わらずドアは花を欲しがっているようだった。
「ほら、これでどう?」
そう言ってギャリーはブーケを差し出した。
「えへへへ ありがとう・・・、いいにおいだなぁー・・・えへへ」
ドアはブーケを受け取ると匂いを嗅ぐそぶりをした。
「それじゃ・・・いただきます」
言い終わると同時にそのドアはブーケをむしゃむしゃと食べ始めた。
自分のバラをあげなくて良かったと思うのと同時に、なんだか花嫁に申し訳ない気持ちになった。
作品名:Ib ~とある美術館での物語(2)~ 作家名:エグゼター