Ib ~とある美術館での物語(3)~
だが、ドアの先は行き止まりとなっていた。
更に行き止まりよりも悪いのは、マネキンの首、首のないマネキン、絵から上半身を出した女の人が待ち受けていた。
私は急いで戻ろうと入ってきたドアを開けようとした。
だが、またもやドアは開けることが出来なかった。
(なんで?さっきは開いたのに・・・)
焦っている間にもマネキン達はゆっくりこちらに近付いてきた。
(早く!早く開いて!)
しかし、私の願いとは裏腹にドアは開かない。
もう怖くて後ろも振り向けず私はひたすらドアノブを回した。
すると、
ガチャ
と音がしてドアが開いた。
(急いでこの部屋から出ないと)
そう思って部屋を出ようとしたとき急に肩を誰かにつかまれ、
「つかまえた・・・」
と声が聞こえた。
作品名:Ib ~とある美術館での物語(3)~ 作家名:エグゼター