Ib ~とある美術館での物語(3)~
「キャーーーー!」
「! イヴどうしたの!?」
声のする方を見るとギャリーが心配そうにこちらを見ていた。
どうやら私は今まで眠っていたらしく、体にはギャリーがかけてくれたのであろうコートがかけられていた。
「うなされていたみたいだけど大丈夫?」
「・・・うん、少し怖い夢を見ただけだから」
「そう・・・かわいそうに、まあ あんな怖い目にあっちゃったら無理もないわね・・」
そう言われて私は辺りを見回した。
今居る部屋は首のないマネキン達がいた部屋とは違うようで部屋の中央には本棚が四つあり、壁には大きな絵が飾ってあるだけのようだ。
「起こせば良かったかしらね、ごめん 気がつかなくて・・・」
「いいよ、気にしないで」
「そう?・・・イヴ、そのコートの左側のポケット見てごらん?」
そう言われて私はコートのポケットの中を見てみると中には黄色い包み紙に包まれたキャンディが入っていた。
包み紙にはレモン味と書かれていた。
作品名:Ib ~とある美術館での物語(3)~ 作家名:エグゼター