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Ib ~とある美術館での物語(3)~

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ギャリーは私から本を受け取ると本を読み出した。

しかし、読み出してすぐに、

「イ、イヴ!これ読んだの?」

と顔を赤くして私に聞いてきた。

「うん、でも書いてある意味はわからなかった。読めない字もあったし」

「そ、そうなの・・・。と、とにかく結論から言うとこの本は手がかりにはならないわ。」

言いながらギャリーは本をすぐに本棚に戻した。

「さて、これで全部調べ終わったのかしら?」

「うん、こっちは今ので全部だよ」

「そう。それじゃ来た道を戻りましょうか。・・・それにしてもこの絵」

そう言ってギャリーは絵の方を向いた。

絵には全体を赤く塗った後に左上から右下に向かって太い黒い線があり、まるで赤を二つに分けているようだ。

「ギャリー、この絵のタイトルはなんて書いてあるの?」

「『決別』って書いてあるわ。・・・それにしてもなんか嫌な絵ね」

「・・・ギャリー?」