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Ib ~とある美術館での物語(3)~

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マネキンの首はちょうど対面のマネキンの首を見るような形で向けられていて、その間を通っているとなんだかマネキンの首に見られているような感じがした。

「・・・ねぇ、ギャリー?」

「なに?」

「なんだか後ろから見られている気がするの・・・」

そう言われて私は後ろをちらりと見て、

「大丈夫、誰もいないし誰もみていないわ」

「そう・・・、よかった・・・」

イヴにはそう言ったが、実際には私の後ろにある全てのマネキンの首の向きがこちらを向いていた。

更に気のせいなのかもしれないがそれぞれの目もこちらを見ている気がした。

やっとの思いでドアのところへたどりつくことができた。

「さ、こんな気味の悪いところはさっさと出ましょ」

そう言って私はドアを開けて次の部屋へ移動した。