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Ib ~とある美術館での物語(3)~

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「これでこの部屋からは出られそうね。イヴ、アタシの持ってるライターの明かりを頼りに付いてきて」

だが、ギャリーが言い終わってすぐに部屋の明かりがまたついた。

「あら?直ったのかしら・・・って、なによこれ!?」

ギャリーが部屋の中を見回しながらそう言った。

部屋の壁や床にはいつの間にかクレヨンで、

「たすけて」
「こわい」
「いやだ」
「やめて」
「しにたくない」

と大きく書かれていた。

「・・・ホント、キッツイわ・・・精神的に。とりあえずここから出ましょイヴ」

そう言いながらギャリーはため息をつくとドアの方へ向かった。

部屋を出て来た道を戻っていると来る途中で通った白いドアが少し開いているのに気がついた。

「ギャリー、見てドアが」

「ええ、誰かここを通ったのね。私達も進んでみましょ、でも念のため注意しててね」

そう言ってギャリーは既に少し開いているドアを注意深く開けた。