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ゆらのと

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白い雪のような肌に唇を押しあてると、身体の下で身体が震えるように動いた。
ずっと、会いたかった。
ずっと、こんなふうに触れたかった。
何度も夢を見た。
眼がさめたときには、それが夢でしかないことが、それが過去の記憶でしかないことが、悲しかった。
幸せな夢のあとに、苦い想いをした。
胸が痛かった。
何度も思い出した。
思い出して、感情が激しく大きく揺れた。
けれども、その激情をぶつける先がなく、自分の中にとどめておくしかなかった。
苦しかった。
ずっと。
思い出さないでおこうと思うのに、心は勝手に思い出した。
そして、求めた。
どうしようもなく、求めた。
それが、今、すぐそばにいて、触れている。
夢で見たのは、触れたのは、しょせん、幻で、眼がさめたとき、触れていたはずの手のひらに感触はなくて、むなしさを覚えた。
だが、今は、違う。
しっかりと感触がある。
血が通い、温もりのある、生きている身体を、感じる。
その身体に、激情をぶつける。
会えなかったあいだ、自分の中にとどめておくしかなかった、ぶつける先のなかった想いを、ぶつける。
まるで餓鬼だ。
飢えて、飢えて、しかたがない。
ただ、ひたすら、求める。
吐息を、声を、聞き、ますます気持ちが昂ぶる。
久しぶりにその身体の中に自分のものを押しこむと、桂は痛そうに苦しそうに顔を歪め、声をあげた。
中は熱い。
その奥へと、欲望のままに突き進む。
内側から揺り動かす。
桂の身体が会わなくなるまえのことを思い出したように反応する。
しなやかに腰が動く。
その声はいつもとは違う艶っぽい響きがあり、そのまなじりには涙が浮かんでいる。
たまんねェな。
そう思う。
いとしくて、いとしくて、たまらない。
激情をぶつけ続ける。
やがて、桂の身体の上で果てた。
けれども、しばらくして、また欲情する。
その身体を抱く。
桂は嫌がらない。
それどころか反応は良い。
良すぎるぐらいだ。
我を忘れている。
ずいぶんと淫らだ。
その様子を見て、感じて、いっそう興奮する。
ふたりそろって乱れて、そして、頂点に達した。
心臓はまだ早く打っていて、呼吸もまだ荒い。
汗ばんだ身体を布団に沈めた。
すぐそばに、桂が身を横たえている。
そのまぶたは閉じられ、口で息をしている。
肌はうっすらと朱く染まっている。
「なァ」
声をかける。
「これがおまえの家なら、このまま泊まるのにな」
そうだったらいいのにと思った。
作品名:ゆらのと 作家名:hujio