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ゆらのと

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銀時は不機嫌そのものの表情で黙りこんだ。
聞いた内容について、考える。
自分がそういった対象にされているとは知らなかったし、想像もしていなかった。
攘夷志士で、天人にとっては敵だから、大金を積んででも捕まえて殺したいということなのだろうか。
「……つまり、俺は賞金首になっているということだな」
そう結論を出した。
すると、銀時がジロリとこちらのほうを見た。
「なんか、やけにあっさり言うな」
「俺はすでに指名手配犯だ。追っ手が増えるのは厄介だが、慣れている」
「慣れてるとか、そーゆーことじゃねェだろ」
銀時が言い返してきた。
イラだっているように感じる。
その理由がよくわからず、戸惑う。
「銀時、なぜ、そんなに機嫌が悪いんだ」
だから、聞いた。
銀時の目つきが鋭くなる。
「あんなところに写真つきでテメーが載ってるからに決まってんだろ」
「俺の手配書が江戸のあちらこちらに貼られているのを知っているだろう。あれと似たようなものだろうが」
「ぜんぜん、違う」
「どこが違うんだ」
「目的が違うだろ」
「目的?」
少し考えてから、続ける。
「どちらにしろ俺を処罰したいということだろう」
「はァ? 手配書のほうはわかるが、もう片方は処罰とは関係ねェだろ」
「天人にとって、俺は、ゆるしがたい罪人なのではないのか」
「あのな」
銀時は声を荒げた。
だが、その直後、顔をゆがめて口を閉ざし、横を向いた。
イラだたしげに首筋をかく。
それから、また、こちらを見た。
「あれはテメーを殺す目的のもんじゃねェよ。最終的にそうなるかもしれねェが、ソレ目的じゃあねェ」
「意味がわからん」
「さっき言っただろーが、欲望の対象って、な」
「だから、俺を殺したいということなんだろうが」
かなり物騒なことを言っていると思う。
しかし、話の流れで、つい、そうなってしまった。
「ちげーよ」
銀時は否定した。
「あれは殺しを依頼するもんじゃねェ。生け捕りにしろってことだ。生きたままつれてこさせて、テメーをなぶるつもりなんだろうよ。テメーに飽きるか、テメーが死ぬまで」
さらに、腹立たしげに言う。
「それが、あの高値の理由だろ」
思わず、眼をそらした。
聞いていて、気分が悪くなった。
黙りこむ。
作品名:ゆらのと 作家名:hujio