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ゆらのと

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まぶたを閉じる。
肌の上に銀時の手のひらが置かれるのを感じる。
ふいに、さっき銀時が言ったことを思い出し、もしもこれが銀時の手ではなかったらと想像してしまった。
天人に限らず、銀時以外の者に、身体をまさぐられたら。
嫌悪を感じる。
そして、その先は、嫌悪を感じるだけでは済まない。
銀時とは数えきれないほどしてきた行為だが、だからこそ、自分の中に異物を受け入れることがどういうことかわかるし、それが無理矢理であればどうなるか想像できた。
相手が飽きるまで、こちらが死ぬまで、なぶられる。
ぞっとした。
「銀時」
眼を開ける。
「俺がこういうことをするのは、おまえだけだ。おまえ以外とはしたくない」
なにかに弾かれたように、言葉が口から出ていた。
銀時は動きを止め、じっと見おろしてくる。
その手が、ふたたび、動いた。
「大丈夫だ」
髪に触れ、優しくなでる。
「絶対ェ、俺が護る」
決意のみなぎる真剣な表情で、断言した。
護られたいわけじゃない。
そう言い返そうとして、しかし、その台詞は喉の途中まであがってきたところで呑みこんだ。
できる限り多くの者を護りたい、そのために強くなると決めている。
自分の身を自分で護るのは最低限のことでしかない。
だから、護られることへの反撥はある。
しかし、それとは真逆のものが胸に広がっていた。
銀時の言葉に、安心していた。
自然に身体の力が抜ける。
表情もやわらいでいくのを感じる。
銀時が顔を近づけてきた。
こちらからも、寄せる。
互いの唇が触れ合う。
少しして、離れた。
銀時の頭が胸のほうへと移動する。
肌にくちづけられる。
「ぎんとき……」
名前を呼びたくなり、その名を口にした。
身体の芯が熱い。
早く。
そう焦れた。
それを見透かしたように、さっき一度受け入れたところに、また入ってくる。
熱い。
その熱に、我を忘れる。
貫こうとするものを、腰を揺らし、さらに奥へと導く。
激しく打ちつけられて、息が乱れる。
喘ぎ声をあげる。
やがて、動きが性急になる。
ああ。
行く。
頂点にまで高まった熱が解放される。
お互い、果てた。
眼を閉じて布団に汗ばんだ身体を預ける。
ふと、腕が伸びてくる。
たくましい腕だ。
抱き寄せられる。
「桂」
「なんだ」
「……放したくねェ」
腕に力がこめられたのを感じた。
作品名:ゆらのと 作家名:hujio