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ゆらのと

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攘夷党の党首としてであれば、この選択は間違いだろうと思う。
党員たちには大志があり、自分はその期待を背負っている。
それとは違うところで、命を落とすわけにはいかない。
新八を見捨てるべきだった。
そう頭は告げる。
だが、どうしても、それはできなかった。
我が身に代えてでも、護りたいものがある。
不誠実かもしれないが、それは攘夷だけではない。
私事で生きて帰れないかもしれない選択をしたことを、心の中で同志たちに詫びる。
「……そんなこと」
新八が言う。
「僕は引き受けられません」
真っ直ぐにこちらの眼を見て、きっぱりと断った。
さらに、強い調子で続ける。
「銀さんに会ったときに、直接、言ってください」
その言葉の意味を察し、ハッとした。
こちらは死をも覚悟している。銀時とはもう二度と会うことはないかもしれないと思っている。
それを新八は否定したのだ。
「新八君」
「必ず、僕たちが桂さんを助けます……!」
そう決意のみなぎる声で叫ぶと、新八は身をひるがえした。
倉庫の建ち並んでいるほうへと駆けていく。
思わず、そちらのほうに足を踏み出した。
直後、肩を乱暴につかまれ、引きもどされる。
「今さら白夜叉に知らせにいったところで、間に合わねェのになァ」
すぐ近くで、男がバカにしたように言う。
「あのメガネから話を聞いて、血相変えてここにきたところで、そのころには俺たちもアンタも白夜叉の手の届かねェところにいるんだからなァ」
おかしくておかしくてしかたがない、というふうに声をあげて笑った。
その声を聞き、一気に、胸の中が真っ黒に染まる。
腹がたつ。
しかし、口を閉ざしたままでいる。
表情が変わらないよう努力もした。
この男が喜びそうなことはしたくない。
「……さァ、行くか」
興をそがれたように男はぶっきらぼうに告げ、右腕をつかんだ。
反対側から左腕を天人につかまれる。
そのふたりに拘束され、彼らの仲間たちに取り囲まれて、桂は歩きだす。
宇宙船のほうへと。
作品名:ゆらのと 作家名:hujio