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ゆらのと

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立ち止まらず、歩き続ける。
そして、船内に入った。
天人の体格に合わせているのだろう、天井がやけに高い。
眼に入ってくる壁など船内の物は、素材も色合いも、冷たさを感じさせる。
整然と保たれているというより、殺風景だ。
そんな中を敵に取り囲まれて、黙々と進む。
先導していた長身の天人が足を止めた。
廊下のつきあたりにある部屋のまえだ。
天人はカードを取り出すと、灰色の戸の近くの白い壁の左側にある機械らしき物に差し込んだ。
カチャッという音がして、機械が緑色に光った。
直後、部屋の厚い戸が右側の壁のほうへとなめらかに移動した。
天人がこちらのほうを向く。
「目的地に到着するまで、あなたにはここですごしていただきます」
丁寧に、しかし有無を言わさぬ口調で、告げる。
「部屋には必要最低限のものがそろっていますし、食事は運ばせますから、問題ないでしょう」
つまり、買い手の待つ星に到着するまで、自分はこの部屋に閉じこめられるということだろう。
独房のようなものだ。
しかし、独房にしては、居心地が良さそうである。
もっとも、あくまでも、普通の独房と比べればの話だが。
天人が身をすっと退いた。
それが合図となったように、左右から引っ張られて、部屋の中に入る。
少し進んだところで、左腕を解放された。
だが、右腕はつかまれたままだ。
放そうとしない、どころか、その力はいっそう強まり、荒々しく壁へと押しつけられる。
身体に痛みが走った。
けれども声はあげず、押しつけている者の顔を見る。
電話をかけてきた、新八を抑えこんでいた、浪士風の男である。
男はニヤと笑った。
次の瞬間、その空いているほうの手が、桂の腰に触れた。
まるで蛇が這うように、なでる。
「やっぱり、アンタ、いい身体してんなァ。あの白夜叉がおぼれるわけだ」
その息が肌にかかるのを感じて、桂は顔をそむけた。
作品名:ゆらのと 作家名:hujio