二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

ゆらのと

INDEX|181ページ/373ページ|

次のページ前のページ
 

驚いた。
銀時ともめた原因が、まさか自分をめぐってのことだったとは。
あのときは、銀時の外見が理由だろうと推測したが、完全に間違っていたらしい。
「聞いてなかったようだな」
つい驚きが顔に出てしまったらしく、それを読み取ったように久松は言う。
「あんな野郎ばっかりのところに、アンタみてーな綺麗なツラしてて身体も良さそうなのがいたら、気が迷ってもしかたねェだろ」
寝込みを襲う、というのは、なにか不満があって暴力行為に及ぶつもりだったのではなく、性欲の処理のための対象として襲うつもりだったようだ。
この久松を含めて五人がかりで、か。
眠っているときに来られても、すぐに察知して、対処できただろう。
ただし、確実にそうだったとは言いきれない。
それに、撃退できたにせよ、仲間が徒党を組んで寝込みを襲い自分を強姦しようと計画していた事実は消え去らなくて、不快な気分を引きずることになる。
銀時が彼らともめた理由を話さなかったのが、今になって、わかった。
結局、自分は銀時にまた護られていたのだと思う。
そんなふうに自分の知らないところで銀時が護ってくれていたことは、一体、どれぐらいあるのだろうか。
「だが、銀時は絶対に俺たちのことがゆるせなかったらしい」
あたりまえだ。
桂は怒る。
一方、久松は話を続ける。
「銀時は俺たちの話を盗み聞きして、激怒して、斬りかかってきた」
もめたとは聞いていたが、どんなふうにもめたか銀時は話さなかった。
だから、桂は怒りをぶつけるよりも話に耳を傾ける。
「そんな状態のアイツに、五人対ひとりでも、俺たちが勝てるわけがねェ。正直、おそろしいと思った。戦場では力強い味方だが、それが、激怒して襲いかかってきたんだ。命までは取られなかったが、アンタに手ェ出したら殺すと言われた。ゾッとした」
そこまでやったか。
状況が、想像にしかすぎないが、桂の脳裏に浮かんだ。
激怒した銀時が敵として襲いかかってきたら。
勝てるだろうか。
剣術の試合としてなら、勝負は五分五分だろう。
しかし、銀時がこちらを本気で敵として認識していて、しかも激怒していたら。
相手をするのは骨が折れそうだ。
そんな事態は、できるだけ避けたい。
「失せろ、二度とそのツラ見せるな、と言われた。おそろしくて逃げたかったし、言われたとおりに、俺たちは去った。だが、そうなると、もう攘夷志士にはもどれねェ。どこで銀時とかち合うかわからねェからな。逃げて、それから、ずっとロクなことがねェ。こっちは、あれのせいで転落して、ずっと落ち続けてるんだ」
「だから、俺と銀時を恨んでいて、宇宙海賊に手を貸したのか」
桂は鋭く問うた。
作品名:ゆらのと 作家名:hujio