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ゆらのと

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「くだらねェって思ってんだろ」
見透かしたように久松は言葉を返した。
「ああ、そうだ、俺はアンタも銀時も恨んでる。その上、大金も手に入る。それが理由だ。アンタからすれば、つばを吐きたくなるような、くだらねェ理由だ」
久松は笑う。
「どうせ俺はクズだ。クズだからな、高潔なアンタがおとしいれられて、金を払えばなんでも手に入ると思っているヤツの手に落ちて、銀時が大切にしているその身体がさんざんなぶられて、薬漬けにされて、心も壊されて、使い物にならなくなったらゴミみたいに捨てられちまえばいいって思ってる。そしたら少しは気が晴れる、ってな」
笑う。
いや、笑っているというよりも、顔を歪めているといった感じだ。
腹がたった。
それは事実だが、今、その感情は別のものに変わっている。
「悲しいな」
素直にそれを口にする。
「そんなことでしか、おまえの気持ちは晴れないのか」
たしかに久松の言ったとおり、理由を聞いて、くだらないと思った。
恨まれるなら、攘夷戦争中に自分のせいで戦に負けたとか、そういったことなら、まだ納得がいった。
だが、発端自体が自分勝手なもので、さらにそのあとのことまでこちらのせいのように言われるのは筋違いだ。
逆恨みもいいところだと思った。
そんなことで万事屋が爆破されて、自分が今こんな状況にあるのかと思うと、憤りを感じた。
しかし、話を聞いていて、その表情を見ていているうちに、怒りが静まってきた。
この男は悪くない、とは思わない。
非は間違いなく存在し、責めを負わなければならないだろう。
けれども、悲しいと感じた。
この男は自分に非があることを認識してる。
よくわかっているのだ。
自分のことを、下々の者と言い、クズだと言った。
徹底的に卑下している。
落ち続けているとも言った。
自分はろくでなしで、自分のいる場所も落ちたところで、もう明るいほうには行けないと思っている。
絶望の中にいる。
それが伝わってきた。
だから、悲しい。
作品名:ゆらのと 作家名:hujio