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ゆらのと

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桂は小首をかしげる。
「もしかして俺のことを買いかぶりすぎているのではないか。そういえば、俺のことを高潔だとか言っていたが、俺はそんな立派な人間ではないぞ」
「立派じゃねェから」
そう久松は言って、けれど、あきらかにまだ途中で、口を閉ざした。
「どうしたんだ?」
「……結構、タチが悪いな、アンタ」
「どこかだ」
そういえば、銀時からもタチが悪いと言われたことがあったなと思い出す。しかも、一度きりではなかったはずだ。
久松はそれには答えない。
「どうせアンタのその両腕は銀時のためにあるんだろ」
代わりに、別のことを言った。
桂はふたたび小首をかしげる。
そして、どういう意味なのか問おうとした。
だが、桂が口を開くまえに、久松は無言で踵を返した。
去っていく。
桂はこの部屋に閉じこめられているので追うことはできない。
まァ、いい。
そう思い、桂は椅子に深く腰かける。
どうせアンタのその両腕は銀時のためにあるんだろ。
久松の声が耳によみがえってきた。
そのせいで、銀時の姿が頭に浮かんだ。
今ごろ、どうしているだろうか。
自分を追おうとしているのだろうか。
だが、追うのは不可能に近いと思う。
しかし、電話をかけてきたときの様子から、銀時はなにがあってもあきらめないように感じた。
こちらとしては、無理なことを追い続けるよりも、あきらめて、幸せになってほしいのだが。
勝手すぎる言い分だろうか。
けれど、他に良い方法がないように思われる。
ともかく、この件については、今、自分にできることはない。
そう思いながら、窓越しに黒い宇宙を眺めた。

宇宙海賊玄夜の船が、地球から遠く離れた星に着陸した。
もちろん密航である。
桂はようやく部屋から出され、しかし手かせをはめられて、宇宙船から降りたった。
夜だ。
あたりは薄い闇に包まれていて、見あげれば宇宙船の窓の外にあったのと同じような漆黒の空が広がっている。
それでも、ほっとした。
だが、それもつかのまのことで、宇宙海賊に囲まれて移動し、手配してあったらしい車の後部座席に乗せられる。
また閉じこめられた。
作品名:ゆらのと 作家名:hujio