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ゆらのと

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天人の歳の取り方は地球の者の歳の取り方と同じとは限らないが、トアラは地球の者であれば二十代半ばぐらいに見える。
しかも、おそらくこの屋敷の主が使用人についても外見にこだわっているのだろう、顔立ちは整っている。
体つきはほっそりしているが、胸は大きい。
着ているものが薄く、白く、それが浴室内の湯気を吸って湿りつつあり、身体の線がよくわかる。
桂は眼をそらした。
さらに、自分が裸であることを思い出して、トアラに背を向ける。
「なんの用だ」
心の動揺をできるだけ抑えて、素っ気なく聞いた。
用があるなら、それを早く済ませて、出ていってほしい。
「浴室であなたの身体を確認するよう、アジン様から命じられました」
トアラの声は冷静そのものだ。
「アジン様はあなたの身体ができる限り綺麗な状態であることをお望みです。もしも治せる傷があるなら、迅速で適切な治療をしなければなりませんから」
背中に視線を感じる。
トアラは桂の裸のうしろ姿を主人に命じられたとおりに観察しているに違いない。
どうしても、羞恥心がわきあがる。
桂は手のひらを拳に握った。
「それに、以前に、宇宙海賊がつれてきた娘に強姦された形跡があったことがありました。着衣の上からではわからないものでした。宇宙海賊のひとりが宇宙航海中にひそかに娘を襲ったようです。アジン様は激怒され、契約違反であるとして後金の支払いを拒否されました。結局、娘を強姦した宇宙海賊は他の宇宙海賊に処刑されたそうです」
処刑。
おそらく殺されたのだろう。
荒くれ者が多いだけに、むしろ掟は厳しく非情で、組織を裏切るようなことをした場合、見せしめのようにむごたらしく殺されると、桂は聞いたことがある。
「もっとも、私がこのあとに問題なしと報告したところで、アジン様はまだ宇宙海賊に後金を支払われないでしょう。自分であなたの身体を確認してから、残りのお金を支払うつもりです」
自分で確認する。
それがどういうことを指すのか、つい想像して、気分が悪くなった。
「宇宙海賊は手付け金のほか、あなたをここにつれてきた時点での報酬を受け取っています。それだけでも、かなりの大金ですが、残りの報酬を受け取るために、しばらくこの屋敷に滞在するようです」
感情がないような声でトアラはよどみなく説明する。
その説明には桂の興味をひくものがあった。
いつのまにか、羞恥を忘れて耳を傾けていた。
しかし。
「うしろの確認は終わりました。ですから、まえをこちらに向けていただけますか」
トアラが当然のことのように告げた。
作品名:ゆらのと 作家名:hujio