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ゆらのと

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その眼は桂に向けられている。
にらんでいる。
「テメーには関係ねェだろうが」
「銀時」
「友情ならいらねェって言ったはずだ」
背筋が粟立つ。
危険を察知して。
直後、銀時に両腕をつかまれる。
「銀時!」
ふりほどこうとした。
しかし、銀時はそれを阻止しようとする。
組み手争いのようになった。
早さなら自信はあるが、力では銀時のほうが勝る。
このままでは自分は負ける。
焦った。
だが、剣の腕前なら互角だ。
腰に差した刀に意識が行った。
けれども、ダメだと思う。
そんなことをすれば最後だ。
できない。
そのためらいが隙になった。
腕をしっかりとつかまれた状態で押され、踏みとどまることができずに後退する。
ある程度まで下がったとき、銀時の押す力が強まり、さらにその手が離れた。
「うわッ」
身体が空中に投げ出される。
次の瞬間、背中になにかがぶつかった。
ソファだ。
床と比べればやわらかくて弾力性があるが、それでも衝撃があった。
顔をゆがめる。
しかし、すぐに身体を起こそうとした。
だが、背中がソファから少し離れただけに終わる。
銀時に捕らえられた。
肩をつかまれ、無理矢理、ソファへと押しつけられる。
ありったけの力で押しもどそうとしても、銀時の腕はびくともしない。
よく知っていたことのはずなのに、自分と銀時の力の差に打ちのめされそうになる。
銀時がのしかかってきていた。
とっさに顔を背ける。
だが、顎をつかまれ、上を向かされた。
次になにをされるか、もうわかっている。
わかっていても、避けようがない。
口を強く引き結ぶ。
そこに唇を押しつけられる。
場合によっては、気持ちよく、甘くもある行為だ。
けれども、今は、荒々しく蹂躙されているようにしか感じない。
苦しい。
身をよじり、手で銀時をどうにか押しもどそうとする。
やっと銀時が離れた。
思わず、息を大きく吐き出す。
そのあいだに手首をつかまれてソファに押しつけられた。
銀時が厳しい表情で見下ろしている。
「心は無理だとしても、身体だけでも俺のもんにするか」
「冗談じゃない……!」
「冗談を言った覚えはねーよ」
そう告げ、距離を詰めてきた。
作品名:ゆらのと 作家名:hujio