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ゆらのと

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桂の正座していた足はいつのまにか崩れていた。
素肌に触れたくて、たくさん触れたくて、そのきものの襟をつかんで下へと引っ張る。
そのうちに、桂の身体がうしろへと倒れた。
それを追って、のしかかってゆく。
長い黒髪が布団に広がっている。
その髪の何本かが頬にかかっているのを、横へとやる。
桂と眼が合った。
こちらをじっと見あげている。
その眼差しが胸にまで届く。
胸が熱くなる。
どうしてこんなふうに眼が合っただけで胸が熱くなるのか、知らない。
わかっているのは、そんな相手はたったひとりだということ。
頬をなで、その唇にくちづける。
それから、上半身を少し起こして、桂の身体を眺めた。
ほとんど裸に近い状態だ。
もちろん女の身体とは違う。
だが、よくきたえられたその身体は引き締まっていて、それでいて男っぽい荒削りなところはなく、綺麗だと感じる。
肌はきめ細やかで、白い。
首筋から下がいっそう白くて、眼につく。
その胸が呼吸とともに上下している。
小さくて焦げ茶色の尖りも揺れている。
その片方に唇を落とす。
桂の身体がびくっと震えた。
かまわず、続ける。
舌をはわせて、もてあそぶ。
それに反応するように、桂の身体が動く。
嫌がっているようには感じない。
その腰をなであげる。
思い出す。
この腰を柳腰だと表現したヤツがいた。
攘夷戦争中に、自分がいない隙をねらって、数人がかりで桂を襲おうと企んだバカだ。
バカだが、その表現は合っていると感じる。
しかし、いや、だからこそ、あんなヤツに、あんなヤツらに、こんなふうには絶対にさわらせたくない。
あのときのことを思い出したせいで怒りもよみがえり、頭に血がのぼる。
アイツらは桂を輪姦しようとしていた。
それで桂がむしろ悦ぶのではないかなどと勝手な想像までしていた。
冗談じゃない。
あんなヤツらになにがわかる。
桂のことをどのぐらい知っているというのか。
どれぐらい想っているというのか。
ちっとも知らないじゃないか。
ちっとも想っていないじゃないか。
綺麗な容姿に眼をつけて、心のない道具のように、桂の身体を欲望の処理に使おうとした。
あんなヤツらには指一本さわらせたくない。
いや、アイツらだけじゃない。
だれにも、やらねェ。
強く思った。
作品名:ゆらのと 作家名:hujio