Wizard//Magica Wish −1−
学校。
無論、魔法少女の使命を背負っている彼女達でも普段はただの中学生。一般人と生活リズムは変わることなく、真面目に授業を受けなくてはいけない。
まどか は根が真面目なため、熱心に授業を受ける…がそれほど頭が回らないため、50分という限られた時間で何回も頭を良く抱え込む。さやかに至ってはほぼ聞いていない。
そんな彼女達の最前列で顔色一つ変えずに指を止めることなく黒板に移された事を次々と自分のパソコン内に取り込んでいく。
カタタタ…カタタン…
「……。」
クセのある毛先で綺麗な黒い長髪のこの美少女の名は「暁美 ほむら」
数週間前にこの中学校に転入してきた「魔法少女」である。
「はい、昼前の講義はここまで」
講師の掛け声とともに、講義が終了する。
静寂だった教室内は一瞬でざわつき始め、さやか も例外ではなかった。
「どへ~疲れた…」
「今の講義、難しかったね さやかちゃん…私もヘトヘトだよぉ…」
「さて まどか。今日のお昼はどこで食べる?またいつもの屋上?」
「そうだね…あっ」
まどか の目線の先には 席を立ち、どこかに行こうとしていた ほむら の姿が見えた。
まどか は特に理由が無かったが、彼女を引き止めようとすぐ傍に向かった。
「ま、まって!ほむらちゃん!」
「…何かしら?」
「あ、あの…もしよかったら さやかちゃんと3人でお昼一緒にしないかな?」
「…いえ、今回は止めておくわ」
「えっと…ごめんなさい…うん…」
「何故あなたが謝るの?」
「え!?…えっとその…なんか気を悪くしたかなって…で、でもね!私、ほむらちゃんと仲良くしたいんだ」
「……。」
「ほらっあのさ…私達って同じ『魔法少女』でもあるし…」
「ッ……。…あまり、その名を出さないようにしたほうがいいわ、鹿目さん。どこで誰が聞いているかわからないから…それじゃ」
「あっ!……はぁ」
ほむら は一切表情を変えず、そのままスタスタと何処かへ去っていってしまった。まどかは軽いため息を一つつき、さやかの元へ帰った。
「はぁ…フラレチャッタヨ、サヤカチャン…」
「お~よしよし!私の可愛いまどか!…はぁ、ったくあの転校生、ほむらっていったか。もうちょっと愛想よくしてくれたっていいじゃない!ほんっと可愛くないなぁ~」
「きっと照れ屋さんなんだよ、…大丈夫、諦めなかったらきっと心開いてくれるよね」
「んじゃまぁ、二人で屋上いこっか、まどか!」
「うん!」
作品名:Wizard//Magica Wish −1− 作家名:a-o-w