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こらぼでほすと 解除6

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 三大大国の政府と軍のマザーのセキュリティーが、それと同時に無効になる。そして、そこから情報が流出を始める。政治の暗部が、そのまま垂れ流しになったのだ。人革連の超兵機関の話やAEUの太陽電池の関する暗躍、ユニオンのアローズへの資金提供などなど、普段は知られていない話が、データとして世界を駆け巡る。たぶん、どこの国家も慌てているだろう。国民には報せていないことばかりだからだ。政治家の癒着やら献金問題、民族差別なんてものもある。これらは、キラとアスランがちまちまとストックしていたデータとリジェネが持っていたものだ。それをバラ蒔いている。特に大々的にバラ巻いたのは三大大国だけで仕切っている新しい連邦の構想についてだ。これだけは、データを各メディアにも届くように配信した。
「収拾のほうは、よろしくね? 」
「オッケー。キラったら甘いよね? ユニオンなんか滅ぼしておけばいいのに。」
「そうも行かないよ、リジェネ。まあ、遊びたいなら、もう少し遊んでもいいよ? でも、国民が死ぬのはダメ。そこまでやったら戦争になるからね。」
「わかってるよ。」
 データの流出とセキュリティーの無効は、すぐに終わる。セキュリティは復活させてしまわないと、悪質なハッカーたちが軍部の武器を掌握してしまうからだ。そうなると、核ミサイルのボタンすら、勝手に押せるので、そこいらまでするつもりはキラにもない。要は騒ぎになればいいのだ。空母一隻が完膚なきまでに叩きのめされるまでの時間稼ぎも兼ねている。
「ごくー、そろそろ到着? じゃあ、進行方向の指示をするから降りたら連絡して? 」
 三大大国のシステム関係は、リジェネとアスランが担当して、終了させる。キラは、まず空母の隔壁を下ろした。これで人員は分断される。歌姫様の居る貴賓室のカギは、暗証ナンバーを入れ替えた。これで外から開くことはない。まず、艦橋の扉は全部、閉じた。責任者やらメインスタッフは、ここにいるはずだから、そこを封鎖してしまえば、ラクスに危害は加えられない。通信も遮断した。ここから指示がなければ、各部署も動けないだろう。ただし、電源自体は生かしてある。隔壁の上下をさせるには、それが必要だからだ。
 すでに戦闘機もMSも出払っている。防衛用のものは残っているが、それはディアッカがグフで攻撃する。
「キラ、宅配便到着。」
「はーい、ごくー、まずは眼の前の開いてる扉から入って、上がって貰うよ? 扉が開くと適当に敵が撃ってくるから気をつけてね? 」
「おう、わかった。おかんの居場所は遠いのか? 」
「ビル七階分くらいかな。エレベーターは使えないから走ってくれる? 」
「お安い御用だ。」
 目的地までの最短コースを算出して、そこまでの隔壁は開けていく。そこには分断されている敵がいるので、そこいらは対肉弾戦組の担当だ。銃撃戦になっても問題はない。坊主は飛び道具だし、悟浄は鎖鎌、八戒は気功波、悟空は伸縮自在の如意棒があるから、それで距離があっても攻撃は可能だ。ついでに、紅も炎を出せるらしいから、そちらも遠距離攻撃が可能だ。
「次は、左手の扉を開けて、上から撃たれるから注意して。」
 着々とキラが道を誘導する。なるべく敵とかち合わないようにしているが、それでもひとつの町クラスの人員となると衝突は避けられない。
「キラくん、ちょっと待ってください。今、ゴミ掃除していますので。」
 そういう時は、八戒から指示を待つように連絡が入る。拳銃めんどうくせぇーぞ、と、紅は文句を言いつつ銃で反撃しているらしい。
「おい、八戒、帰りのビールは確保してあるんだろうな? 」
「ああ、すいません。帰りは我慢してください。」
「ああ? てめぇー手抜きしやがったなぁっっ。」
 ボスンボスンと重い銃撃音がしている。おそらく、三蔵が敵を撃っているらしい。というか、帰りのビールがないと八つ当たりしているのが、キラにもおかしい。



 貴賓室では、歌姫様が熱心にママの爪を磨いていた。暇つぶしには、もってこいの遊びで、すでに両手が終わっている。さて、そろそろ足のほうに取り掛かりましょうか、と、思っていたら、突然に明かりが消えて非常電源に切り替わり、もう一度、切れると元に戻った。そして、外からは爆撃の音がしている。

・・・・どうやら始まりましたね・・・・

 お迎えが来てしまったらしい。とはいうものの、すぐには無理だろうから、ママの靴下を脱がせてみる。ちゃんと足の爪も切りそろえられていたが、やっぱり磨きたい感じだ。
「ハロ、お客様がいらっしゃったら、教えてくださいね? 」
「リョーカイ、リョーカイ。」
 ハロは扉の前に置く。開けられたら人質にされる。それは避けたいので、扉のロックをさせた。すると、音声だけだが、部屋の通信パネルが動き出した。
「ラクス、もうすぐ迎えが行くからね。」
「お待ちしております。」
 機械音に変換されたキラの声が、作戦遂行中であることを告げる。それなら待っていればいい。たぶん、キラのことだから扉の暗証番号も書き換えたはずだ。

・・・・・急ぎませんと、ママの爪が中途半端で終わりそうですね・・・・

 おやおや、急がなくては・・・と、また爪をコシコシと磨くことに専念する。ママを担いで脱出するなんて芸当は、歌姫様には無理な話だ。とにかく大人しく救助を待つ。



 七階分の階段を、敵をボコボコにしながら進む。上からの射撃は厄介だが、こちらも飛び道具が充実しているから、対応はできている。悟空にいたっては、一々駆け上るのが面倒になって、手摺りをぴょんぴょんと飛んで上がっていたりするが、気にしてはいけない。
「そろそろ、目標の階数に到着だよ? 」
「どっちだ? キラ。」
「階段昇り終えたら、向かって右に五十メートル。そこに豪華な扉がある筈。」
「カギは? 」
「僕が開ける。その前に、たぶん、そこいらにもゴミがあると思う。」
「わかった。ゴミ掃除が終わったら、連絡する。」
 階段を昇り指定された階数に辿り着く手前で、全員が揃うのを悟空も待つ。そこには敵がバリケードでもしているはずだ。
「一気にやってしまうか? 悟空。」
「そうだな。ちまちま倒してても埒が明かないな、紅。」
「八戒、気功波を打て、それと紅、おまえも炎を出せ。」
「まあ、そういうところでしょうね。その後は悟浄と悟空に出番ということですね。最後に亭主が女房を救出すると。」
「うるせぇーぞ、八戒。悟空、おまえ、ママを担げよ? 」
「わーってる。歌姫さんは、どーすんの? 」
「勝手に走らせろ。俺は女房の救出に来ただけだ。暗黒妖怪のことは知らん。」
「ということは妖怪組の誰かが担ぐってことでいいんですかね? 」
「なら、俺がフォローする。走れないなら、担ぐってことでいいか? 」
 爾燕だけは飛び道具的な力はないので、本気で肉弾戦のみに参加している。ということで手持ち無沙汰だ。建前上、悟空は、おかんの救出に来たことになっているから、悟空が手を出すわけにはいかないからのことだ。
「では、これで段取りは決まりました。紅さん、お願いします。」
「引き受けた。」
作品名:こらぼでほすと 解除6 作家名:篠義