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こらぼでほすと 解除7

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 キラの攻撃が、とんでもないのは、刹那も記録を確認して知っている。大型兵器をSフリーダムの最大出力のビームサーベルで三枚下ろしにしたことだってある。普通では考えられない攻撃だ。
「とりあえず、予定時間がずれ込んだから、休憩しようぜ? 」
「そうだな。」
 どちらの機体も、発進できる状態になっている。これ以上に整備する必要はない。後は、ニールが到着するまでは、周囲の警戒をするぐらいのことだ。刹那もシステムも切って、コクピットから立ち上がる。低重力だから、そのままふわりと外へ出ると、ゆっくりと降下する。パイロットスーツだから、会話は、そのままだ。
「ロックオン。」
「んー? 」
「おまえ、オーライザーに同乗するか? 」
「いや、ケルビィムで周囲の警戒したほうがいいだろ? ドッキングさせてあるから、オーライザーは無人でもいいんだろ? 」
「いいんだが・・・ニールの精神世界と接触できる。そういうものを知りたいなら、オーライザーに搭乗したほうが深く接触できる。」
 刹那が作り出すトランザムバーストの状態の中では、精神的な部分との接触が出来る。もし、実兄の、そういうところも知りたいというなら、と、刹那は誘ったのだ。刹那も、ニールと接触するのは、初めてだが、まあ、寂しがり屋のおかんの精神構造なんて想像できている。
 しばらく、ロックオンは無言だったが、「いいや。」 と、あっさりした返事が返ってきた。
「今更、兄さんの精神構造なんて理解したいとも思わないよ。・・・・そういうのは、おまえさんだけが知ってればいい。」
「おまえのほうが血の繋がりのある家族だぞ? 」
「・・・・兄さん、俺には知られたくないと思う。そういう人だからさ。」
 なるべく、傷は見せたくないだろう。特に、ライルには知られたくないはずだ。それを知られたら、ニールの過去もバレてしまう。あんなに隠しているのだから暴くマネはしないほうがいい。きっと、深いところにいるニールの本体は傷ついてボロボロのはずだ。それを癒すことができるのは、自分だけだとは自惚れたりしない。それを癒すのは、これからの時間だと思うからだ。傷がなくなることはないだろうが、それでも傷は乾いて痕にはなるはずだ。暴いて知ったら、ニールの傷は塞がらないどころか余計に血を流しそうで怖い。そんなことしなくても、時間をかけて治すほうがいい、と、ライルは考える。今の実兄が居る環境は、その傷を癒すのに最適だ。
「そうか、それなら無理にとは言わない。」
「うん、それでいい。あの人、外面だけはいいからな。俺には格好つけたいと思うわけよ。だから、知らないほうがいいんだ。」
「俺は、滅茶苦茶暴かれているんだが? 」
「ダーリンはいいんだよ。兄さんは、あんたにだけは何も隠してないんだろうから。そういうのは、役割分担だと思うぜ。」
「わかった。・・・おまえも俺に隠し事があるのか? 」
「そりゃまあ、いろいろとな。洗いざらい吐けって言うなら、吐くけど? 」
「あまり興味はないな。別に、全部を曝け出す必要はないだろう。言いたいなら聞いてやる。」
「言いたくないな、今更。」
「なら、聞かない。」
 こういうところが、刹那の男前なところだ。興味がないわけではないのだが、相手が隠したいと言うなら、無理に暴くことはしない。人間生きていれば、いろいろとあるのだと理解したから、そういうことはスルーの方向だ。
「時間、どうする? 部屋で横になるか? 」
「そうだな。腹に何か入れて、それから横になる。」
「じゃあ、食堂で合流ってことで。」
 ふたりとも、それで通信は切った。確かに、刹那の過去はニールに話したから、ニールは知っているが、ロックオンに話したことはない。まあ、聞きたいと言われれば話せることだが、わざわざ話す必要は感じていない。ロックオンがニールの精神構造なんてものは知らないほうがいい、というのも、双子ならではの何かなのだろうと漠然と考えている。人間同士が判りあうためには、トランザム状態での邂逅というのは手っ取り早いが包み隠さない事実が暴かれることになる。イノベーター同士なら、それでもいいが、ナチュラルな人間には、それは重荷になることもあるだろう。

 通路を進んで食堂に辿り着いたら、ちょうどティエリアたちも戻っていた。そこで、全員でお茶をして各人が、それぞれの休憩場所に散らばっていった。後十数時間で、ニールは到着する。




 別荘に全員が戻ると、やれやれと全員が脱力状態だ。とはいうものの、待ち構えていたドクターが、直ちに、ニールを医療ポッドに叩き込み、処置を開始する。これに二時間。その間に、こちらも後片付けだ。
「あのクスリの効能は冷凍処理に影響はありませんか? 八戒さん。」
「ナノマシンで体内を、ある程度、動かすと聞いてますから、勝手に治療するだけでしょう。おそらく、宇宙に上がる頃には治療も終わっているはずです。」
「シャトルの時間変更は連絡した。プラントへの到着も遅れるが、オーナーのリハーサルには間に合う。」
「虎さんのほうからランデブー地点に変更なし、という連絡が入りました。」
「空母の回収に、ようやく近隣の基地から先発隊が発進した模様です。・・・・すでに、アスアスは痕跡も残さず霧散しています。」
「リジェネ、そろそろ終ってよ? これ以上にやったら一般にも影響が出ちゃう。」
 各人が勝手に、あっちこっちで動いているから、ラボの管制室は騒がしい。出来得る限り短時間で後片付けをしないといけないから、みな、必死だ。
「ラクス、ちょっと休んだら? 」
「いえ、キラの補給をしておきませんと。」
 キラがひとつの通信を終えて、背後に立っているラクスに、そう勧めると、ラクスのほうは背後からキラに抱きついている。助けてくださってありがとうございました、と、到着して、すぐに参加したスタッフ全員に、歌姫様は礼を告げて深くお辞儀をした。最初から決まっていたミッションプランだが、突然に遂行することになった。それなのに、ほぼ完璧にやり終えてくれたことに感謝したのだ。
「まあ、それならそれでいいけどね。リジェネが助けてくれて、ほんと、助かったんだ。僕とアスランだけだったら、こう短時間で三大大国のマザーは掌握できなかった。」
 元々、大きな陣営のマザーというマザーに、キラはロクロクちゃんと呼ばれる全制御型システムを、こっそり搭載させた。その力を借りて、マザーを掌握することになっていたが、さすがにヴェーダのフルドライブは見事だった。あっという間に、マザーを乗っ取った。
「私も、あまりに早くて驚きました。それに、秘密兵器まで投入されていたので、さらにびっくりです。」
「うん、悟空は、ママを助けるのはいいんだって。だから、ついでなのはラクスなんだって言ってたよ。うふふふふ・・・それって、なんか楽しいよね? ラクスがおまけなんて、普通は有り得ないのに。」
「うふふふ・・・・そうですね。でも、助かりました。」
作品名:こらぼでほすと 解除7 作家名:篠義